八王子殺傷「核心に迫る証言」 その肉迫度
<テレビウォッチ>「新証言です。我々は核心に迫る1つの証言に行き当たりました」(阿部祐二リポーター)と、八王子の無差別殺傷事件を続報。中学時代の同級生の証言を得たのだが、さて事件の核心に迫った証言と言えるかどうか??
逮捕された菅野昭一容疑者(33)は警視庁のこれまでの取り調べに対し「仕事でうまく行かず、両親に相談しても乗ってもらえなかった。無差別に人を殺そうと決意し、文化包丁を買って書店で女性を刺した」「人間関係を含め仕事関係で、2、3日前からムシャクシャしていた」と供述している。
しかし、父親や勤め先の社長に取材したところ、まったく食い違う話が返ってきている。
父親は「息子が助けてほしいと言ってきたことはない」という。
また、勤め先の社長によると、「今月に入って本人が会社を訪れ、『ケガは快方に向かっているから9月から復帰できる』と聞き、復帰を心待ちにしていた。人間関係のトラブルもなかった」という。
しかも、会社では休職中の給与補償をしており、復帰後はケガでもできる職場を考えていたという。
犯行動機についての供述の矛盾はいったい何なのだろう。そこで、阿部リポーターが菅野容疑者の中学時代の同級生に話を聞いた。
「友だちをつくらない。ケンカをしたことも見たことない。ただ、キレたら何をするか分らないという印象でした。そういえば不登校という時期もありました」
犯行に至る背景とは言えても、これが「核心に迫る1つの証言」なのかどうか。
中学卒業アルバムの集合写真には菅野容疑者の姿がない。中学を卒業したあと菅野容疑者は高校へ進学するが、高校を中退したあとは職を転々としている。
一方、刺殺されたアルバイト店員の中央大生斉木愛さん(22)について、今朝のコメンテーターで、東大教授のロバート・キャンベルが次のように話した。
「(事件のあった)一昨日、中大文学部で授業をしていた。斉木さんは私の授業に出ていないが、おそらく廊下ですれ違っていたと思う。そこにいたわけですよ。学んでいる風景を知っている人間からすると、何で1人の人間を簡単にかき消してしまうことができるのか。そういうことがどういうことか分らない人間が増えている」
また、スーパー主婦の冨田リカも「大人になれないアダルトチルドレンみたいな存在が増えている。昔は『半人前意識』があった。大人になるために頑張ろうと努力した。今は親がやってくれて当り前。意にそわないと人のせい……」と。
むしろ、これらのコメントが事件の核心をついているのでは……。