中国「数年で日本に追いつける」 電気自動車「電池」の差

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   珍しく鮮烈な赤色のジャケットを着込んだ国谷裕子キャスターが、今回からの3回シリーズのタイトルを告げた。「日本の『技術力』を活かせ」の第1回は「電気自動車」である。

   世界的なCO2削減運動や原油高騰、不景気などで、「自動車」に逆風が吹いてると言われて久しい。しかし自動車界の次代のエースの呼び声あり、「20~30年後にはガソリン自動車から移行して、大成功する」(カルロス・ゴーン日産自動車CEO)とも期待される電気自動車分野では、日本企業が先行して取り組み、優位な立場にあるという。来(2009)年、三菱自動車が国内で量産型市販車を発売、日産も数年後に量産体勢に入るなど、大きなモメンタムが来てるのである。

量産化「1日でも早く達成を」

   なるほど、日本の技術とものづくりの象徴、自動車産業の近未来には明るい光が差し込んでるのだなあ、と思わせる冒頭からの流れ。これは、深刻な「問題」を前半で、「解決」への試みを後半で伝えるのが基本フォーマットのこの番組には珍しい展開だ。が、そのままめでたくハッピーエンド――とはならなかった。

   いま日本企業は米中などに急速に追い上げられてるのだという。ガソリン自動車くらべて、電池モーターで駆動する電気自動車は構造がシンプルで、部品点数で2、3割減るらしい。つまり新規参入も容易。現に海外ではすでにあまたのベンチャー企業が乱立し、米国では不動産・投資バブルがはじけた今でも、電気自動車は有望分野と見られて、どんどん投資マネーが流れ込んでいる。中国もお得意の国家的開発に力を入れ、「日本が先行する電池開発の差は、数年で追いつける」と強気だ。

   はじまりで明るさが見えた今回も、やはり深刻な暗雲がどんどん垂れ込めてきた。ゲストの大聖泰弘・早稲田大学理工学術院教授によれば、国が産官学の基礎研究を支援すること、日本が音頭を取って電気自動車の国際標準化を進めるなどの施策が必要である。また量産化を1日でも早く達成することが、技術者のモチベーションになり、人材流出も防げるのだという。

   しかしこうした解決策は、なんとも漠然とありきたりで、どうにも頼りなく聞こえた。

ボンド柳生

NHKクローズアップ現代(2008年10月21日放送)

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