2024年 4月 29日 (月)

「死因見過ごし」が生む恐怖 日本のお粗末な実態

不審死解剖スウェーデン100% 日本は…

   一方、司法解剖の体制は整っているかといえば「ノー」だという。現在、司法解剖ができる専門医は全国に130人いる。が、高齢者人口の急増と並行して、司法解剖の症例数も急増。最近は、限界をはるかに超えているのだという。

   しかも、諸外国と比べお粗末さは歴然としている。例えば、不審死として解剖が行われる症例は、英国が48%と約半分、スウェーデンとフィンランドが100% 、日本は9.5%にすぎない。

   千葉大大学院・法医学教室の岩瀬博太郎教授は「犯罪だけでなく事故とか、流行病、中毒とかちゃんと死因を出して、脅威があれば克明に国民に知らせるのが仕事なのですが、人の命がおろそかになっているのが現実。ますますひどくなっている」と訴える。

   最近では検視にCT(コンピュータ断層撮影法)を導入する動きが出てきたが、専門家はこれも万能ではなく、毒物などは分からないと。

   番組に出演した法医学者で福岡大の久保真一教授は「アメリカの検視官制度と同じように、私たちは警察とは別に、死因を究明する制度、組織が必要と考えています」と。

   日本では大事な部分に人材や予算が配分されていない、と改めて感じた。

モンブラン

   * NHKクローズアップ現代(2008年10月27日放送)

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