日本会社員は甘えてるのか 阿部サダヲがえぐり出す

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   <OLにっぽん>あの「ハケンの品格」の時間枠で、脚本も同じ中園ミホ。期待にたがわず面白い。エンターテインメントとして楽しませながら、鋭い批判になっている。OLだけでなく、これを見て首の辺りにヒヤリ、秋風を感じてしまうサラリーマンも少なくないのでは?

   東慶商事の総務課社員・神崎島子(観月ありさ)は中国にアウトソーシングの視察に出張する。この現場の風景が圧巻。広い部屋に同じ方向を向いたコンピューターが隙間なくズラリと並び、その前に座った若い女性たちが一心にキーをたたいている。その早さといったら!

「日本語の壁に守られてきた」

   会社に帰った島子を待っていたのは、総務課の仕事を中国に移管する計画だった。すでに人事部や経理部では業務の半分が移されているのだ。でもまさか、「会社の中枢」である総務の仕事が外部委託されるとは! 課長の朝比奈国彦(東幹久)に衝撃が走る。しかし、コテコテ関西弁の部長・富士田弥生(浅野ゆう子)は容赦ない。

   総務のような仕事をしたことがないので、具体的に何をどう委託できるのか私にはよくわからない。素人感覚では、総務課とは会社の全体を見渡し、重要な情報を日々管理するところか。そんな日常に密着した業務が遠く離れた中国でできるのか? しかも当然のことながら、すべて日本語である。

   だが、請負側中国企業のマネージャー・小旗健太(阿部サダヲ)は日本人社員に厳しい。「あなた方はいままで日本語の壁に守られてきた。しかし同じ漢字を使う中国人にとっては、その壁も大した障害ではない」「そのダラダラした勤務でもらうあなた方の給料で、何人の勤勉な中国人が雇えると思いますか」

   「ハケンの品格」では主人公の派遣OL・春子に言わせていたホンネを、ここでは小旗に言わせている。小旗は島子たちから反感をこめて「チビ太」と呼ばれているが、鋭いセリフのためか、けっこうカッコいい。さすが、阿部サダヲ。ついでに言えば、カンフーアクションもなかなかキレがいい。

美波、とってもかわいい

   外注に必要なマニュアルを作成すべく中国から2人の研修生がやってくる。純真な張琳(タン・ジャースー)と気の強い楊洋(ローラ・チャン)、2人ともお下げの少女だ。この2人の格好だが、いくら田舎から働きに来た中国人だからといって、ヨレヨレすぎるんじゃないかしら、いまどき。

   島子は部長の弥生から、中国人の指導と同時に、余った社員のリストラ係を命じられる。一生懸命教えれば教えるほど自分たちの首を絞めることになる島子の立場。まっすぐな張琳たちの熱意には応えたいし、仲間の首は守りたいし……。この難題にどうやって立ち向かっていくのか。

   コネ入社したおバカ系OL・矢部桜(美波)が、とってもかわいい。それから、これといって仕事ができないのに、ときどきネガティブ発言をしながらのさばっている仏頂面のおじさん、主任の野呂昭和(モロ師岡)が存在感を示している。いかにもフツーの容貌といい、どこの会社にもいそうだ。その名も時代遅れの「ノロまなショーワ」なのね。

(カモノ・ハシ)

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