彼の友人「モテ男」クン バーで見せた「魔法のお持ち帰り」

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   新しく知り合った彼とバーへ。

   彼とは何度目かのデートだが、バーへ2人で一緒に行くのは初めて。

   なんとなくいい雰囲気になるかも……?と、朝からソワソワ。

   期待に胸をふくらませ、仕事も早々に切り上げていざ、彼とデート。

   すると、会った瞬間に彼はこう言った。

「今日はボクの友達もバーに来ているんだよ。紹介するよ」

   あら、ガッカリ。2人だけじゃなかったのね。

   な~んだ……せっかく期待で膨らんだ胸は、小さくしぼんだ。それはまるで女の戦闘服であるボリュームアップブラをはずして、リアルな胸がペロンと現れたときのように。

   さて、その彼の友達というのは以前から話を聞いてはいたのだが、かなりモテる男らしい。なんでも、彼がいると女の子が寄ってきて、彼を離そうとしないのだという。そこまでの色男はお目にかかったことがない!

   よし、これはもうデートというより取材気分だ!と気持ちを切り替えて、気分はスポーツブラでバーへ意気込んで入っていった。

   すると、すでに噂の男友達はバーへいた。

   見た目は、胸板が厚いスポーツマンでガッチリ系。アメフト?ラグビー?ホッケー?と、まず女ならば彼の肉体美はいったいどこから来ているのかが気になってしまうほど、素晴らしい体の持ち主。

   話をしてみても、ソフトな語り口で話自体も面白い。じっと目を見て熱く話されるので、こちらはヘビに睨まれた獲物のようになってしまう。

   なるほど、彼なら女の子もほっておかないんだろう。と、ここで納得。

   しかし、私と話していては、彼が持っている稀有な能力を知ることはできない。私はカウンターから少し離れて、新しい彼とモテ男ぶりを観察することにした。

   しばらく見ていると、どうやらそのモテ男は女性たちを吟味しているようだ。

   やさしい笑顔だが、その眼の奥にはたぎるようなハンターの目がはっきりと表れている。時折バーテンダーと話をするなど、彼の振る舞いは遠目にみても好感度が高い。

   そんなカレの隣へ1人の女性が座った。

   モテ男はすかさず彼女に何かを話しかけた。話しかけられた女性の方は、いやな表情一つ浮かべず、とても楽しそうに見える。観察を続けていると、次第に、女性が彼に近寄って行くのに気がついた。

   これってどういうこと? なにが起きているの? どんなトリックなんだ~~!!

   そう思っていると、モテ男が私たちの所へきて、こう告げた。今日は彼女と一緒に先に帰るけど、いいかい?と。私に向かってウインクしながらね。

   わたしが口をぽかんと開けている間に、モテ男は女性とともにバーを出て行った。知り合って1時間もたっていないのに! 年末年始にテレビでマジックショーが数多く放送されるが、彼の口説きテクニックの手口ほど鮮やかなものはあるだろうか?

   一方、私はと言うと、新しい彼にはトリックがないようで、数杯カクテルを飲みほした後、千鳥足ですごすごと1人で家へと帰ったのであった。

モジョっこ

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