気になる「贈り物」の謎 解くには「予習」必要かも(7つの贈り物)
ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
<7つの贈り物>ウィル・スミスが『幸せのちから』の監督と再びタッグを組んだ今作。主人公のベン(ウィル・スミス)は見知らぬ7人に『贈り物』をするため、ある計画を立てる。なぜ、何のために、そしてその計画とは何なのか。また『贈り物』とは一体何か。気になる点がいくつも上がってくるのだが、すべての謎が明らかになったとき、我々は衝撃を受けると同時に物語は感動的な結末を迎える………………とは残念ながら言い難い。
映画は冒頭から不可解な描写が続く。ワンシーンごとのつながりも見えず、ベンが何をしようとしているのか最初は見当がつかない。包み隠すように物語は進んでいくので前半は興味を惹かれるのだが、それが続くのも中盤まで。それ以降はベンの計画に該当する女性、エミリー(ロザリオ・ドーソン)とのラブストーリーが中心になっていく。
ほとんど映画の終盤を迎えたところでオチは明かされる。しかしだ。結末に辿り着くまでが長過ぎる上に、結局謎のままの部分もある。計画自体を明かさないのは分かるが、主人公のベンも最後まで不可解なまま。むしろ計画の方は所々に張られた伏線やヒントで予想可能である。ベンが計画を立て、実行した動機は納得出来ても、どういった理由で『贈り物』をする7人を選んだのかは彼のみぞ知る。掴めないキャラクターに共感はできない。その分感動は薄れていく。
ベンの計画と『贈り物』、すなわちこの物語の結末は、誰もが納得して共感できるものではないだろう。また、結末を知れば不可解だった話の流れも理解できる。おそらく1度目と2度目では全く違う感想を持つはずだ。全てを事前に知った上で鑑賞するのもいいかも知れない。
ジャナ専 巴麻衣
オススメ度:☆☆