2018年 7月 22日 (日)

イラク戦争ドキュメンタリー 再放送見ていま思うこと

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   NHKのBS世界のドキュメンタリー。混迷するイラクを描いたアメリカの作品だった。2004年にあったものの再放送だ。

   プロデューサー自身がイラク人やアメリカ人にインタビューして回る硬派な内容だ。2001年の9・11テロ以降、アルカイダなどへの敵意がアメリカ中を覆い、正確な判断ができなくなっているという指摘が面白かった。イラクに大量破壊兵器がある、という前提で始めたはずの戦争なのに、その前提が怪しくなり、結局はそんなものはなかった、となる訳だが、戦争の正当性とは何かと考える際に、努めて冷静になろうとする姿勢が伺えた。大量破壊兵器の話は吹っ飛んで、フセイン憎しになっていた部分もある。こうした感情的な側面を意識的にはずして、確かな情報から考えようとしていた。

   はっきり結論めいたことは言わないのだが、ニュアンスとしては、戦争に踏み切ったアメリカの判断がおかしかった、とにじませる内容だった。大量破壊兵器があるはず、という戦争の入り口だけでなく、戦争突入後の想定もおかしかった。米軍に死者が数多く出てイラク側の自爆テロが続出した。単細胞に絵を描いていたが、どんどん想定と違ってきてどうごまかすか、と間違いの上塗りを続けた印象だ。経済的な側面でも多額の無駄なのでは、という話も出た。

   イラク国民会議のチャラビ議長に期待を寄せたのも、実情が分かってないことを浮き彫りにした。宗教対立を調整する力も知識もなく、単にアメリカに都合のいい人物だったということのようだ。これでは国がまとまるはずはない。

   情報の不足、情報の意図的な活用、復讐心、思い込み…この戦争は何だったかと考えると様々なキーワードが思い浮かぶ。ブッシュとラムズフェルドだから戦争が起きた、今後は起きないだろう、とは言い切れない問題もある。怖いことだ。

   番組は、終始良心的に冷静に事態を伝えようとしていた。いい出来だった。

      戦争に 正義など 無きことを知り

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