海外過激派、現地女性と次々結婚 パキスタン支援しないとどうなる?
自動小銃を肩にかけた男が2人、繁華な町中を悠々と歩いている。明らかにイスラム過激派だ。パキスタンのアフガン国境、俗にトライバルエリアと呼ばれる地域。「見つかる。カメラを隠せ隠せ」という緊迫した声。過激派の数は増えているという。
NHKが入手した現地の映像では、過激派が子どもたちに銃の撃ち方を教えているのがあった。男たちの多くは外国から来て、現地の女性と結婚して住み着いているという。次の世代が育っているのだ。
オバマ戦略はうまくいくか
パキスタン軍が過去最大の軍事作戦を展開中の最前線では、戦車のほか掩蔽壕からも、民家に潜む過激派に向けて銃撃が続いていた。昨2008年夏からの8か月間に、3000人以上の過激派を殺害したという。しかし逆に、過激派による報復で800人以上が犠牲になった。パキスタンの治安はいま、最悪といわれる。
この現状を打開するために、きょう(4月17日)から東京で「パキスタン支援国会議」が始まった。これを前にオバマ大統領は、「武力だけではダメ。新たな作戦が必要だ」と訴えた。「民生支援、貧困対策、これに各国の協力を求めたい」
パキスタンのザルダリ大統領は「われわれが手加減しないことを彼らは理解しただろう」と軍事作戦の成果を強調したが、一方で「軍事以外に対話、開発、雇用の促進などもある。これらを組み合わせることもできる。しかし、国際社会からの関心が得られない限り解決はできない」といった。
NHKイスラマバード支局の本岡祥司記者は、「トライバルエリアはテロリストの聖域になっている。軍事作戦の成果は全体から見るとほんの一部にすぎない。政府内部には、報復への懸念から、過激派との全面対立を避ける空気がある」という。
国谷裕子の「オバマの戦略はうまくいくのか」との問いに本岡は、「民生支援や社会基盤の整備は、パキスタン政府も望むところだ。しかし、これには時間がかかる。目前の脅威をどうするか、課題は大きい」