武装解除プロの日本女性 「銃」目の前に「平和とは何か」

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   今回のゲストは、武装解除のプロフェッショナルだ。瀬谷ルミ子、32歳。紛争地域に乗り込み武装を解除させる。国連などの団体に属せず、フリーランスで活躍する。とてつもなく厳つい女性をイメージするが、画面に現れたのは細身で髪の長い女性。仕事と見た目のギャップにまず驚いた。

   瀬谷が行うのはDDRと呼ばれる活動。武装解除・動員解除させ、彼らを社会復帰させる活動だ。例え紛争が終わった地域でも、市民が銃を持ち続け、いざこざが起こると銃を構えあうことがあるのだという。村人は声を荒げて言う。

「この数か月で50人も殺されたんだ。政府が『戦争は終わった』というのは嘘だ。平和なんて全くない」

   憎しみの連鎖を断ち切ること。決して武器を取り上げるだけでは解決しないのだ。瀬谷は懸命に話を聞く。この村では飲み水を巡って争いが絶えないらしい。瀬谷は政府に井戸を掘らせるように提言した。

「これがあれば、あとは自分たちでなんとか争わずにいれると言うところを探し当てる。和平合意の上では平和な状態になっても、自分の心の中で平和がまだ訪れていなかったら、それは彼らの中では本当に平和な状態になったとは言えないんですよね」

   銃を持った兵士に囲まれ尋問されることもあるという。紛争地域に足を踏み入れるとは、そういうことだ。

   紛争地域では当たり前のように市民が銃を担いでいる。撃とうと思えば誰でも撃てる。苛立ちに任せて銃を構えることが誰にでもできる。交渉の手段が銃である地域からそれを取り上げることは、自分の命を危険にさらすことに他ならない。

   春の穏やかな陽気の中でこうして原稿を書いているのは、実に幸せなことなのだと改めて実感した今回の放送だった。

慶応大学 がくちゃん

   * NHKプロフェッショナル 仕事の流儀(2009年4月21日放送)

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