2024年 4月 27日 (土)

古き良き日本経営バンザイ その発想で復活できる?

来店不要なのでコロナ禍でも安心!顧客満足度1位のサービスとは?

   <テレビウォッチ>どこか誰かの統計で、下げ止まってるとか底を打ったと言われても、なかなか信用できない歴史的不況のなか、クローズアップ現代にも雇用問題が多く登場する昨今である。

「人を大事にせよ」

   そして、こんな時代でも頑張ってるニッポン企業を、やたら肯定的に応援するかのごときスタンスも目立ってきた。民放の代表スポーツ中継でも見るような面映ゆさが、そこにはある。

   今回の「人に優しい企業の挑戦~もの作り復活の条件~」も、そんな匂いがぷんぷんである。不況に負けず雇用を守りつづけ、「人を大事にせよ」といった松下幸之助系昭和の名経営者の教えを受け継ぐ企業たち。

   自動車メーターなどのプラスティック製歯車を製造する会社は、不況で売上が半減以下に落ち込んだ。しかし、社員をクビにするどころか、逆に定期昇給も確保。アリとキリギリスのアリを自認し、好況期には設備投資などに消費しすぎず、カネを貯め、不況期に使うのである。

   医療・食料品の原料を製造するメーカーでは、研究者に期限や成果を定めず、長期的に研究させている。事実、そうした方法論で、難しいとされたトレハロースの大量生産に成功した。この会社は、短期利益目的の株主に口出しされたくないので、戦略的(株式)非上場を貫いているそうだ。

「お手本」失った日本の行く末

   「この15年ほど日本企業の経営は、ややアメリカ型のカネの論理を中心にする傾向があった」と、スタジオゲストで日本企業の経営にくわしい東京理科大学教授。

   「それが本当にいいと思ってた人は少なかったが、アメリカは強いし、日本の景気は悪いで、自信がなかった。しかし、こうなってくると、原点回帰して、日本企業がちゃんとしていたころの、あの経営の原理が案外いいと思いはじめた人が多いんじゃないでしょうか」

   たしかに、お手本のアメリカがコケてしまったのだ。それも大コケである。あのアメリカがウォール街に勝手にやらせすぎたと反省し、もっとマネー規制が必要だった、と言ってるぐらいなのだから、日本も右へ倣って規制を強化し、日本型経営も見直すべきだろう。

   ただ、「原点回帰」は現状では、そう大きなムーブメントとも思えない。番組に出たのは昭和の昔っから堅実に経営してきた企業で、最近日本型経営に「回帰」したのではない。不安のままアメリカ型に移行したように、またもや確信なきままに、古き良き経営に回帰する企業が増えるのだろうか。

                              

ボンド柳生

NHKクローズアップ現代(2009年6月16日)

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