2024年 5月 8日 (水)

玉木宏のモンスターぶり その美と地獄と天国(MW)

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(C)2009 MW PRODUCTION COMMITTEE
(C)2009 MW PRODUCTION COMMITTEE

   <MW>16年前、沖之真船島で大量の島民が虐殺された。その生き残りである、結城美智雄(玉木宏)、と賀来裕太郎(山田孝之)。彼らはともに成長し、賀来は神父となり、そして結城は自分の島に惨劇をもたらした人間に復讐を誓って、殺人を繰り返していた。結城を止めようとする賀来だったが、求められると殺人に自分も加担してしまい……。原作は手塚治虫の同名漫画。

   終始どんよりと暗いムードがつきまとう劇中。復讐と言うよりは、自分の欲望を満たすため、女、子供を問わず、次々と殺人を犯していく、結城。その姿は、どの映画の悪役にも勝る冷酷な「モンスター」と呼ぶにふさわしかったのではないだろうか。しかも常に冷静沈着で、人の死をなんとも思っていないのである。そんな彼の人格形成まで、劇中でぜひ描いて欲しかった。

   その反面、子供を愛し、神の存在を信じて止まない賀来。何より幼いころから固い友情で結ばれた、結城のことも愛しているのだろう。そんな彼が、必死でその結城の殺人を止めようとする行為には、どこか一方通行なはかない想いが感じられ、愛おしさすら覚えた。

   また、過激な殺人の描写、冒頭のタイでのカーチェイスシーンなど、猟奇的な要素とアクションシーンの要素入れた、上質なドラマとして仕上がっているのも魅力だ。玉木宏の少しやりすぎでは? と感じさせるほどのスリムな肉体美も見ものである。

   結城と賀来は幼いとき地獄を見た。16年後、賀来は神父となり神を信じた。そして結城は神になろうとした。2人とも天国を見るために。つまりこの映画ではそういうことを伝えたかったのではないだろうか。<テレビウォッチ>

PEKO

オススメ度:☆☆☆☆


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通称ジャナ専。東京都豊島区高田にあるマスコミの専門学校。1974年の開校以来、マスコミ各界へ多くの人材を供給し続けている。

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