「安さ」はハッピーか デフレ懸念と新政権への期待

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   <テレビウォッチ>暖色系の洋服のせいか、国谷裕子キャスターが画面に現れたときには、いつもより柔和な感じがしたものだ。視聴者的に少々ホッとしたが、しかしそれもつかの間。彼女の口から語られるのは、のっけから暗い統計ばかり。消費者物価指数は過去最大の下落率を更新中で、失業率は過去最悪。ボーナス、給与も減少。固く結ばれた財布のヒモをなんとかほどこうと、売り手の値下げ競争が加速してるのだ。

   そこで、「値下げが止まらない~秋商戦の舞台裏~」と題してお送りした今回の放送。とりたてて「ウラ」というほど意外な話もなく、スーパーのプライベートブランド(PB)商品が拡大し、価格を下げるより量を増やそうとするところあり、安売り圧力に頭を抱えるメーカーがいる。出てくる誰もかれもが、予想通りなコメントを実際に喋るので、それは驚きではあった。

PB商品の利点と問題点

   スタジオにはふたりのゲストが来ていた。熊野英生(第一生命経済研究所主席エコノミスト)と経済ジャーナリストの荻原博子が、おもにPB商品をめぐって、意見を述べる。

   「最近はPBが消費者に浸透してきた」と荻原は言う。小売り側が直接発注するので、メーカー側は在庫を抱える心配もなく、コスト削減になる。実際の中身は「ナショナルブランド」であり、「買う側にとってはお値打ち」だと、まずはPBの利点を「家計」から語る。

   と、お次はマクロ的な視点である。「安さ」が横行して「デフレスパイラル」的になると困りものだといった趣旨のご意見。小売りが価格統制力を持ってメーカーが安売りを強制されることや、「安全性や品質」の問題を懸念する。

   しかし「とにかく家計は、安くないとやっていけない状況に陥ってる」(荻原)のだ。でも、それが続くと購買力はさらに減るし、うーん……。この手の意見スパイラルも失われた何十年だかの間にすっかりおなじみだ。

   番組の最後に、荻原から聞かれた言葉はわりと新しいものだった。だが、これも解決策の見えないなかで苦し紛れに出てきた願いのように聞こえた。「新しい政府に期待したいですよね、やっぱり」。

ボンド柳生

*NHKクローズアップ現代(2009年9月8日放送)

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