「低炭素」で電気代上がる? どうなる25%削減

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   <テレビウォッチ>「2020年までにCO2排出ガスを25%(1990年比)削減する」

   国連の場で国際公約した鳩山首相。高い目標を掲げたことに「先頭に立って走ることが、同時に日本経済のチャンスになる」と語ったが……

電気買い取り制

   低炭素型の社会に転換することで日本経済に技術力、競争力を高めることを目指すという一挙両得みたいな政策。今後10年の間で実現できるなら言うことない。ダイナミックな政策の転換は、強引に突き進むには政権交代した今が絶好のタイミングと言えなくもない。

   だが、小沢環境相をスタジオに招いて国谷キャスターが質した答えを聞くと、明確な『道筋』はまったく見えてこないのだ……

   番組ではまず、鳩山政権のトップダウンによる手法が自治体や中央官庁を変え始めているケースを紹介した。

   「2020年までにCO2 排出量20%削減」を決めた東京都。来2010年4月から都内1400事業所に削減義務を課す。

   これを前にビル内の8100ある蛍光灯をすべて省エネ型に切り替える会社が出始めた。省エネ関連の改修費用は5年間で40億円とか。かなりの費用だが効果はどれほどあるのか……

   一方、高い目標に戸惑っていた経産省も、直嶋経産相の「これをチャンスととらえ、新しい産業の創造につなげたい」という号令で動き出した。

   大臣から「成長に結びつく対策づくり」を命じられた担当者は当面の『目玉商品』のつもりか、次のように語った。

「太陽光、風力、小規模水力発電などの自然エネルギーの普及を起爆剤に、様々な産業を成長させることが出来ると考えている。そのために注目しているのが電気の買い取り制度だ」

   太陽光などの自然エネルギーで得た電力の買い取り義務を電力会社に持たせることで、自然エネルギーの普及を目指す。買い取り費用は電気料金に上乗せすることで、関連産業の飛躍的な成長につながるというのだ。

   しかし、電力会社はそれだけ発電コストの節約に結びつくのに、なぜ買い取りにカネがかかるのか分からない。

   まして、そのコストを電気料金に上乗せとなると、ソーラーシステムなどの装置を購入できない庶民は電気代の負担が増えるだけ。格差拡大にもつながりかねない。

しょせん税収確保?

   そこで国谷キャスターの舌鋒が火を噴いた。「投資できない国民にはすべてが負担になってくるのでは?」

   これに小沢環境相は「所得によって、そういう人たちの軽減措置を考えることは必要と思う」と。これでは質問も後が続かない。

   では、リードする環境省は何を考えているのだろうか。ガソリンや灯油などすべての化石燃料に課税し消費を抑制する『温暖化対策税』(環境税)の来年度導入に余念がないようだ。

   国谷キャスターが「この税の狙いは、化石燃料から距離を置くように誘導していくことですか?」と。

   小沢環境相は「ひとつは(化石燃料の)抑制効果、もうひとつは省エネなど企業への優遇政策(の財源)です」という。

   しかし、抑制の一方で、鳩山政権が実施しようとしている暫定税率の廃止、高速道路の無料化は矛盾する。それに何故来年度から実施を目指すのかも……しょせん税収確保が狙いかという疑念も。

   小沢環境相は「ただ税収が減ったから、こっちで取り返すだけみたいな感じで国民に思われたらいけない。一旦、暫定税率の廃止を実感してもらう必要がある。時期のズレがあった方がいい」と、なんとなく発言がブレてくる。

   鳩山政権は、マニフェストのおかげで今や、あっちを押しても「ジレンマ」、こっちを押しても「ジレンマ」の声が聞こえてくる。

モンブラン

   * NHKクローズアップ現代(2009年11月4日放送)

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