農家も「シャッター通り」に? 企業参入で農業変わるか

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<テレビウォッチ>あちらこちら高齢化が進んで、あそこが悪いここも悪いバナシに毎日ハナ咲くここ日本国だが、もちろんお国の農業もその例外ではない。食料自給率は低いわ、農業従事者の平均年齢は65歳を越えるわで、そりゃあもう大変。

   そこで――なのかどうか、先進国では異例なことに、国は少し前から企業の農業参入を積極容認する方針に転換した。これまで農業というのはカネ儲け主義のビジネスや9to5のサラリーマンになじまないと考えられ、厳しく規制されてきたんだそうで。

「ビジネスになる」

   実際、数年前からの規制緩和の流れに乗って、大手スーパー、居酒屋チェーン、鉄道などさまざまな業種の企業400社以上が参入した。「既存事業が厳しいなかで、農業を新たなビジネスチャンスと捉えている」(木村伸男・岩手大学名誉教授)。これが12月15日施行された農地法の改正で、企業が農地を借りたり、使用するのが一層やりやすくなったんだとか。

   そんななか、番組のカメラがお邪魔したのは、茨城県牛久市。ここには市が誘致したイオンの直営農場があるのだ。小売業で培ったコスト削減のノウハウなどを生かし、リーズナブルにつくった農作物を自分のスーパーで売り出している。今後は全国8箇所に直営農場をつくり、自社生産体制を強化する方針だそうで、「農業はもっと進化して、結果ビジネスになる」(イオンアグリ創造社長)と意気込む。

   一方で地元牛久の農家からは不安や戸惑いの声が聞かれる。「イオン(スーパー)ができて、商店街にシャッター通りができたわけで、農家も同じことになるのではないか」「スーパーが自分で売る分を自分で生産できるようになっちゃったら、農家は要らなくなっちゃう」

   そんな農家らと市長の直接対話集会にも、カメラはお邪魔した。市長のほうは「みなさんが農地を使ってくれれば、わざわざ企業を誘致する必要もない」「10年経ったら農業やってる人はいなくなっちゃいますよ」などと、「やむを得ず」な部分を強調する。話し合いは約2時間に及んだが、農家の不安は解消されなかったそうだ。

   「企業は農業を救えるか?」。今回の大上段な放送タイトル。そんなことを聞かれても、もちろんサッパリわからないが、企業によって「農家」が救われるということは、ありそうもなさそうな感じではある。

ボンド柳生

*NHKクローズアップ現代(2009年12月15日放送)

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