坂の上の雲に学ぶ 今こそハングリー精神を

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   <NHK 坂の上の雲>過ぎたことはすぐ忘れてしまう、というか記憶力が悪いタチだ。だから1年間を振り返っても、どうも最近見たものしか印象に残っていない。

   この「坂の上の雲」は「天地人」が終わった後を受けて11月末から始まった壮大なドラマだ。3部に分け、今09年から2011年まで3年かけて完結するという。最後になって大物が来た! という感じでインパクトが強い。

語りも配役も生き生き

   今まで見たかぎりでは、司馬遼太郎の原作をかなり忠実に再現しているようだ。ナレーションも原作の文章を使い、渡辺謙の語りが、原作にただよう独特の可笑しみをさりげなく伝えていて心地よい。日露戦争を戦った軍人を描いても、日本軍の行動をすべて肯定したわけではない原作者の思いを十分に生かしている。阿部寛、本木雅弘、香川照之はじめ、配役もみな所を得て生き生きとしている。

   「企画意図」には「現代の日本人に勇気と示唆をあたえるドラマ」とある。というわけで、考えているうちに、もしかしたら今年は日本にとって、明治初年以来約140年ぶりの「チェンジ」なのかもしれない、という気がしてきた。間に太平洋戦争の敗戦による「大チェンジ」があったが、あれは占領という事態の中で外国人によって行われたものだ。

   武器と票の違いはあれ、ともかく日本人自らが日本を変えたのだ。戦後の片山内閣、平成の細川内閣、村山内閣などがあるというかもしれないが、どうも違うのでは? という気がする。

   主人公の3人、秋山好古・真之兄弟、正岡子規の少年時代。幕藩体制が壊れた士族の貧窮ぶりが描かれるが、伊予弁のせいもあって何とものどかで楽しい。特に秋山兄弟の父(伊東四朗)の「英雄豪傑はみんな貧窮の中から生まれた。あし(私)に働きがないのはみんな子のためにやっているのだ」とケロッとしているところが気に入った。「貧乏がいやなら勉強おし(しなさい)」。子どもの方も「国のために尽くそう」などという気はさらさらなく、「いまにお豆腐(の厚さ)ほどお金をこしらえてあげるぞな」。

   現代の親もこれでいってみてはどうかしら。今や、欧米列強ならぬ中米(中国とアメリカ)列強に挟まれた日本。「子どもの才能を伸ばして……」などとぬるいことを言っている場合ではない。ハングリー精神こそ親が子に残すべき最大の資産かもしれない。<テレビウォッチ

カモノ・ハシ

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