大地震と「忘却の闘い」 「ハイチ」は他人ごとか

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<テレビウォッチ>1月12日、ハイチの首都、ポルトープランスで起きたM7の大地震。番組はこれを取り上げて、「大地震が首都を襲う~ハイチからの報告~」と題したが、全体的には「リメンバー・活断層の危険」とでもしたほうが内容に合っていたのかもしれない。

   ポルトープランス周辺には東西250kmにも及ぶ長大なエンリキロ断層が走っており、数百年のうちに大地震が起きる可能性が専門家から指摘されていたという。が、ハイチ政府が、この予見に耳を傾けた様子はどうやらないという。もっとも、危険予測のスパンを数年単位ぐらいに短縮するのは現状ではほとんど不可能だというし、世界最貧国と呼ばれるような国で、数百年先までに起きるかもしれない地震より、今日のパンを優先するのはやむをえない面もあるだろう。

のど元過ぎれば…

   番組の舞台はハイチから、日本、そして世界へと移っていった。日本もけっこうな活断層大国だというが、活断層の危険を抱える都市は世界中に多くある。そのひとつがポルトガルの首都、リスボンだという。リスボンでは、約250年前に6万人の死者が出たヨーロッパ最大の大地震が発生した。その後は建物の耐震化が進んだというのだが――。

   テレビカメラは解体中らしい古いアパートのなかで、人間がいかに熱さを忘れやすいかを象徴する映像を収めたのだった。地震直後に建てられた際の木組みは、たてよこ斜めに張り巡らされ、現代にも通じる耐震技術を用いている。ところが、20世紀になって建て増しされた壁は、ただ木を簡単に張った単純な構造になっていた。耐震技術は、地震から時が経つにつれて、使われなくなった。

   「これは忘却との闘いだ」と、東京大学地震研究所の加藤照之教授は言う。地震の研究者だけではなく、為政者、住民が一体となって地域の防災を考えていくことが必要だ――。「難しいが……」と、教授は付け加えた。

                               

ボンド柳生

*NHKクローズアップ現代(2010年1月19日放送)
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