2024年 4月 27日 (土)

身代わりロボで外出 「理想郷」が崩壊するとき (サロゲート)

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で
(C)Touchstone Pictures, Inc. All Rights Reserved.
(C)Touchstone Pictures, Inc. All Rights Reserved.

サロゲート>ハイテク社会に潜む巨大な陰謀にブルース・ウィルスが立ち向かうアクションサスペンス。近未来、人類はサロゲートの開発に成功して以来、すべての行動や社会活動をそれに任せるようになった。

遠隔操作の「本人」も死亡

   サロゲートとは「代行」という意味で、自分は家で寝ていて意思や神経の感覚をサロゲートに送信してロボットを遠隔操作することができるのだ。

   街を歩けばサロゲートばかりで、ほとんどの人間がそれを使うことに慣れ、それなしでは生活できない。危険な事故にあっても死なないし、メーカーに頼めば容姿も思いのまま、すべてサロゲートに任せてしまう依存社会である。

   だが街でサロゲートが何者かに破壊され、その遠隔操作していた持ち主も衝撃で殺されるという前代未聞の殺人が起こる。事件を担当した刑事のトム(ブルース・ウィルス)は相棒のジェニファー(ラダ・ミッチェル)とともに捜査をするが、警察の上部の異常なまでのあわてぶりを怪しいと思い、独自に調査を始める。しかし捜査を続けているうちにブルースのサロゲートも大破、おまけに停職処分をくらい生身での行動を余儀なくされる。

「本当に君に逢いたい」

   サロゲートは肉体すら相手に知られない匿名社会の頂点でもあり、ブルースの家庭でも「仮面夫婦」ならぬ「サロゲート夫婦」になりつつあった。妻は自動車事故で息子を亡くしてからは部屋に閉じこもって、サロゲートでしか夫に会わない。ブルースは妻に「本当の君に逢いたい」と嘆くがどうしても想いが通じない。

   サロゲートは夫婦の生身の付き合いすらも奪ってしまうのだ。この映画は「面と向かって話そうよ」という態度がいまのテクノロジーの発達で、徐々になくなりつつあるということを象徴している。

   キャスティングが面白く、ほとんどのサロゲートが理想的な長身かつ小顔で、ルックスも完璧に近いモデル級の役者ばかり(サロゲートは生身の人間が演じている)。登場するのはそんな美女と美男ばかりだが、サロゲートを操る実在の「そいつ」がそんなに「カッコよくもない」ことがわかるというユーモアがある。まるで初めて会った文通相手の素顔にショックを受ける、そんなハラハラ感が醍醐味だ。

ユウ・ミサト

   オススメ度:☆☆☆

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中