2024年 4月 30日 (火)

変質者の演技が1番すごい 少女の死と再生の物語(ラブリーボーン)

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見たあと暗い気持ちにならない

   これは殺されてしまったスージーと、残された家族が互いを失ったことにより、そこから気持ちを蘇生していくという、言わば再生をテーマとした、とても前向きとも取れる映画である。なので14歳の少女が殺されてしまう話でも、見たあとに暗い気持ちにならない。それはもともと原作が持つテーマ性のおかげかも知れないが、ビジュアル効果によるものも大きい。

   スージーが辿り着く異世界が、ピーター・ジャクソンの手によって非常に幻想的な世界になっており、この映画のファンタジー色を強めている。ただしその映像が独創的なあまり、抽象的な動く絵画のように見えてしまう。とくに現世での暗い描写のあとに場面替わりすると、あまりのギャップに違和感をもつかもしれない。

   ラストの描写についてもいろいろと賛否両論あるようだが、この映画で1番素晴らしいのは誰が何と言おうと、犯人に扮したスタンリー・トゥッチである。眼鏡ハゲのロリコン変態野郎で、リアルにそのへんにいそうなもんだから、余計に気持ち悪い。でもスゴい。動作から息遣いまで徹底して変態になりきっている。映画の中で変態が1番スゴいというのもおかしな話ではあるが、何とこの役でオスカーにノミネート! ただ本人どんな気持ちなんだろう……。

巴麻衣

   オススメ度:☆☆☆


日本ジャーナリスト専門学校プロフィール

日本ジャーナリスト専門学校
通称ジャナ専。東京都豊島区高田にあるマスコミの専門学校。1974年の開校以来、マスコミ各界へ多くの人材を供給し続けている。

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