100円古着愛用の女性 バンッと金使う分野

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   <テレビウォッチ>「欲しがらない世代」「シンプル族」「嫌消費世代」――今の20代から30代前半の若者を呼んだ言葉、と森本健成キャスターが語り出す。

「シンプル族」の消費

   経済情勢が悪く雇用が安定せず、将来が不透明であれば、若者が物を買わなくなるのはムリもないと思う。が、スタジオゲストの三浦展(消費社会研究家)はそれだけではないと、つぎのように言う。「価値観が大きく変わっている。エコロジー、環境への意識で、シンプルな、さりげないライフスタイルで暮らしたいという変化が顕著だ」。

   番組に登場する24才の女性は、「ブランドづくめは格好悪い」と100円の古着を愛用し、「家電は動けばいい。壊れるまで買いかえない」と20年前のラジカセを捨てずに使う。その一方で、趣味の音楽には金を惜しまない。CD購入に月平均3万円支出し、3万円のウクレレを手に通う音楽教室には年間20万円払う。

   三浦が取材した年収500万円の30代の女性も、ブランド、クルマは買わず、旅行にも殆ど行かず、行っても屋久島とか世界遺産だという。「これが標準」(三浦)とのこと。

   こうした「シンプル族」を消費に駆り立てようと企業側も戦略を練る。あるリサイクル店は、Tシャツの値段を1週間ごとに1000円ずつ下げ、どのタイミングで買えばベストな選択かを消費者に考えさせる。ゲーム感覚で若者の心理をくすぐり、「買う理由をつくってあげる」(三浦)のだ。とことん面倒みるスキーツアーもある。用具は現地に揃えてあり、レッスンは無料、滑り飽きたら温泉に入る、という手軽な日帰り旅で、費用は5000円。「面倒くさがり屋をひきつけ」(三浦)、人気を博している

らしい。

見通しの暗さ

   さらにこの先、若者に買う気を起させる「キーワード」として、三浦は「(1)日本(2)反使い捨て」の2つをあげ、以下の説

明を加える。

   (1)=伝統的な地方の普通の暮らしが若者にとって新鮮で魅力的。日常の生活に憧れる。(2)=環境教育を小さいころから受けて「使い捨て」に罪悪感を持っている。気にいった、思い出に残るものを長いこと愛着をもって使う。

   最後に「今後、日本の消費はどうなるか」を森本キャスターから問われた三浦は「合理的になる」と受け、「本来、消費は合理的な行動。いいものをつくる、同じものなら安い方がいい。同じ値段ならいい性能のものを買う。そういう合理的な消費者が増える。ということは、まじめにものをつくると評価されること。企業にとってはチャンス」と答えた。

   現下の景況感、先行きの見通しの暗さが、若者を倹約家にしているのは否めないだろう。身の丈に合った趣味に絞ってお金を投ずるのも当然で、その点では意外性はなかった。

アレマ

   * NHKクローズアップ現代(2010年3月18日放送)

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