2024年 4月 27日 (土)

日本のNPO 寄付「集まらない」理由

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<テレビウォッチ> 赤い羽根共同募金。何に使われているのか、筆者はさっぱり知らない。教育的効果がどれほどあるか疑問を抱いていたが、相変わらず小学生たちが「お願いします」の大合唱。

米の「30分の1」

   今回は、そんな日本の『寄付文化』が今、変わりつつあると取り上げた。「パワーの落ちた」(国谷裕子キャスター)行政にかわってNPO法人の役割が増大しているという。

   しかし、その一方で寄付金となるとアメリカに比べ30分の1。誇れる文化とは言い難い実態だが、このギャップの背景には一体何があるのか……

   まず寄付をする側の問題から。

   国谷が冒頭にひと言。「昔から赤い羽根共同募金、歳末助け合い、神社やお寺への寄付は様々あります。なのに、その実態はアメリカの年間22兆円に対し日本は7000億円にとどまっています」と。

   その格差30対1。寄付するほどの余裕が国民にないのか、それとも別の要因があるのか??

   国谷が「『日本には寄付をする文化がない』という声がありますが……」と疑問を。

   スタジオに生出演したNPO法人『シーズ』の松原明事務局長は「それは違うと思う」と否定し、次のように……

「日本人の約7割が寄付をしている。ただ、金額がお付き合い程度ですごく少ない。アメリカも最初は1ドルとか少額でした。しかし、日本と違ったのは、寄付を集めた団体やNPOが、寄付してくれた人に対し、何に使ってどういう成果を上げたか、誰を助けたかをきちっと報告して返した。手応えを知った寄付者が、今度は5ドルにと増やし文化を育てていった」

   日本では、代表的な赤い羽根共同募金などがその『返し』を怠ったために、ニセ街頭募金がはびこり信頼を失ったというわけだ。

   そうしたお付き合い程度の微々たる寄付の中で、NPO法人の活躍が最近、目覚ましい。

NPOと寄付者つなぐ機関を

「ボランティアに参加したい」
「忙しくて活動には参加できないが、社会的課題ついては支援したい」

   こんな人が増えており、逆境の中でなくてはならない存在のNPO法人も多いという。なかには寄付が集まらず身銭を切って活動するNPO法人や資金不足で解散するNPO法人も少なくない。

   松原事務局長は「全NPO法人の約7割は財政問題を抱えている」と指摘する。

   寄付が集まらない背景には、どんな活動をしているのか分からない。寄付をしてもちゃんと使われているのか確認できないなどのNPO側の仕組みの問題もある。

   しかし、もっと大きな行政上の問題も。NPO法人には、国税庁がお墨付きを与える『認定NPO』と、そうでない一般のNPOがある。

   寄付の金額が多く公共性があると認められた認定NPOは寄付が集まりやすいのだが、僅か全体の0.3%。残りが一般のNPOだ。

   「何故そこまで少ないのでしょう」という国谷の疑問に、松原事務局長は次のように語った。

「認定NPO制度が脱税などに悪用されては困るというわけで認定の要件であるハードルを非常に高くしていた。申請のハードルまで辿り着けないうえ、申請できても提出書類が煩雑で、あまりにも手続きが煩雑で活動に全力投球したいと認定を返上したNPOもいます」

   権威の上にあぐらをかいた『お上意識』が『規制』ばかりを重視。角を矯めて牛をダメにする結果に。時代は変わっているのだが……

   最後に国谷が松原事務局長に「寄付をしやすくするにはどんな仕組みがいいのでしょう」と尋ねた。答えは……

「NPO法人に信頼がない。アメリカなどで行われている寄付者と各NPO法人の中間に第3者機関を設け、寄付者のニーズに合わせた、いいNPO法人を紹介することが必要です。今までは行政が主体だったが、これからは寄付者が社会を変えていけるいいチャンスと考えています」

モンブラン

NHKクローズアップ現代(2010年3月31日放送)
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