新入社員研修とヨット 文句もいいけど自分はどうだ

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<テレビウォッチ> スーツ姿もまだ初々しいようなサラリーマン1年生の2人連れが、満員電車で何やらペンを片手に真剣な表情で資料に向き合っている。公共の場で何をそんなに? と気になってしまい、ごめんね! と思いながらついチラっとのぞいてみた。どうやらネットマーケティング会社の研修資料らしく、揺れる車内もなんのその、2人は一生懸命赤ペンで資料に何やら書き込んでいた。

映画をみて

   そういえば、大手企業の新入社員の研修風景をテレビで見たばかり。髪型から靴下の色まで指導され、試験も合格点に達するまで何度も追試を受ける新入社員クンたちの姿。まるで軍隊のような研修内容を見ていて「あ~絶対ムリ! よかった~この業界で」と、ほっと安堵してしまった。

   私のような仕事は下積み時代はあるが、企業のように研修期間があるわけではない。右も左もわからなくても、とりあえず師匠や先輩作家の元で、顔色をうかがいながらやってみるしかない。アイディア、時代とのマッチ、その人のキャラクター、ディレクターやプロデューサーとの相性など何かが引っ掛かればそこからググっと上がっていけるようなシステムだ。

   反面、協調性や責任力を問いたくなるような事態が発生することもしばしば。転職して作家になった仲間に聞くと、放送作家の社会的モラルの低さに当初驚くことが多かったと言う。確かに。人気の先輩作家でも、会議であまりにも雑な資料や発言の軽さに、ビックリ以上に後輩でも引いてしまうこともあるもんなぁ。

「みんなが悪いの? みんなが悪いんだったら、みんなとやらなきゃいいじゃん! 1人だけで出来るだったら、やれば!」

   うむむ。ここでちょっと心に来ちゃった言葉を。これは現在公開中の映画「海の金魚」に出てくる台詞。実際にあるヨットレースをモデルにした、心に傷を持つ少女2人を中心に展開する高校生ヨットパーソンたちの青春ストーリーだ。

   船上でのやりとりやレースのシーンなどはかなり迫力があり、自分も参加しているような気分になれる。

研修受けてみる?

   物語は、天才ヨット少女と言われていた少女が海難事故を乗り越えヨットレースに挑む姿を描く。だが素人集団クルーのトロさに苛立ち、彼女は何でも自分でやろうとしてしまい、クルーの団結力もなくなりかけるという映画でも転換となるシーンで、もう1人の主人公から言われた一言だ。

   1人イライラしていた彼女は、まるで私じゃないか! とハッとした。独り相撲をしていることに気づかず、1人意気がり1人悩み苦しむ。そんな姿は自分を投影しているようで怖かった。

   ヨットは団結力が重要なスポーツ。ヨットをかじっていた頃、私自身でも足手まといになっているのを分かっていたが、クルーは文句を言うことなくサポートしてくれたことを思い出した。これ、仕事に反映されていなくない? と反省。

   協調性がないとか責任能力がないとか人のことばかり言っておいて自分はどうかと、胸に手を置いてみる。

   仕事でお世話になっている雑賀俊郎監督にこの話をしたら、何と言われるだろうか。1度研修でも受けてみるか? とでも言われるだろうか。

                         

モジョっこ

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