一念発起で運動はじめたけど、サボる理由見つけてズルばかり
最近、運動を始めてみた。といっても、近所を速足で1時間程度歩くというだけ。運動不足ではなく運動皆無な毎日を送っていた身にとっては、たかだか歩くだけでも意外と気分転換になってなんともよろしい。
思えば、転校生で地方都市ばかりドサ回りをしていた子供時代は、私もよく歩いていた。子供の足で40分かけて通った小学校もあれば、体ばかりは大人みたいな中学時代にも、徒歩通学50分だった。なぜその距離で自転車通学ではなかったのが不思議。雨の日も風の日も、太陽ギラギラの日でも、毎日毎日よく歩いていた。
田舎の子供だったから体力はあったけど……
週に何度か訪れる大嫌いな体育の時間。中学1年の時に通っていた学校は、地元でもスポーツ教育に大変熱心な学校で、なにせグランドだけで一周1㎞という驚異的な広さ。
そのグランドの周りには、テニスコートやバッティングネットやら陸上競技の砂場などがあり、その全貌はとてつもない大きさになる。マンモス公立中学だったが、あのグラウンドの広さはいったい何だったのだろう。東京にいるととてもじゃないが信じられないような大きさなのだ。その大きなグラウンドの周りを授業中走り続けるという鬼のような授業があった。
しかも、真冬に行うのだ。いま考えると耐えられない。夏はといえば、全国的に強い水球部の顧問による特訓水泳授業。長さ50Mで最深2M以上のプールは、クラスにもいるまだまだ体の小さい中1なんかにとったら、地獄だったと思う。そして運動部はそのあと、部活にも汗水たらしていたわけだ。昔のように外遊びはしなくなっても、田舎の子供は体力だけは付きまくりだったんだなぁ。ちょっと感心してしまう。
いまはすぐタクシー乗るヨワっちい大人
あれからわずか十数年しかたっていないのに、私はなんてズルばかりしているのだろう。今、40分もかけて歩いたら電車3駅分の渋谷にある職場に到着する。これを毎日ヤレと言われるとちょっとムリ。すぐに弱音を吐いてしまう。「あ~間に合わない!」「もう疲れてダメ~!」と言って、迷わずタクシーに乗ってしまうヨワっちい大人になり下がってしまった。それでもってダイエットのためにとか、体力つけるためにとお金を出して運動したり、せっせと近所を歩きまわっている。
普段からもう少しタクシーに頼らない、電車に頼らない、己の脚力に頼った行動をすればいいだけなのに。分かっちゃいるけど大人は子供よりズルが得意になっている。
しかし、ダメダメな生活習慣でようやくウォーキングをするようになった私でも、子供の時は歩いていた。そう思うと、近所の小学生や電車でみかけるおぼっちゃまおじょうちゃま小学生は、いったいどれぐらい運動しているのだろう? 彼らを横目で見ながら、このメタボ気味なオバハンだって、あんたらと同じ頃はもっと歩いていたんだぞ! と柔弱な優越感に浸る。
それでも、子供を巻き込む犯罪が増えた時代に、まさかスクールバスには乗っていないだろうが、母校の登下校風景も変わったのかもしれない。安全も大事だが、落下傾向が続く子供の基礎体力。どちらを取るか難しいところだ。でも、きっと彼らも大人になってヒーヒー言いながら体力づくりに励むんだろうなぁ。
と偉そうなことを言っている今日は雨。「雨降りはウォーキングもお休み~!」と、ズルな大人は自分で決めたルールも守れなくなっている。
モジョっこ