黒木瞳も高橋克典もちっとも切なくない「中年恋愛喜劇」

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同窓会~ラブ・アゲイン症候群(テレビ朝日系木曜夜)>「杉山くん、好き。中学の時よりもっと好き……」「俺もだよ、相川……」。夜の街路で携帯を握りしめる黒木瞳と高橋克典。もう、笑うしかない。ドラマを見ていて、時々、「こんな役をやらされる役者ってかわいそうだなあ」と思うことがあるが、まさにそんな感じ。

オバサンの「白馬の王子様」願望

   最初は皮肉を込めた喜劇かと思った。だって、「引き返せない恋に落ちて」失踪する同級生カップル――尾美としのりと宮地雅子――にも、ちっとも切なさがないんだもの。恋は美男美女の専売特許じゃなく、フツーのオジサンとオバサンが恋をして当たり前だとはいうものの、ドラマとしての説得力はほしい。

   じゃあ、黒木と高橋の美男美女なら納得できるかというと、全然そうならない。だから、わざと冷たく突き放して描き、感情移入できないように作っているのだと思ったのよね。

   久しぶりに地上波の連ドラに出演した三上博史が、井上由美子の脚本を「よくできている」とあちこちの新聞インタビューで言っていたので期待してたんだけど、ほんとにそうかなあ。たしかに三上の役はひと癖ありげで、高橋よりはカッコいいけど。

   ただ、45歳というのは中学卒業から30年、子供時代が終わってからの人生の約半分が過ぎたところか。ちょうど真ん中で途方に暮れて立ち尽くす時期、というのもわかるような気はする。そして、人生一発逆転するには、やはり恋愛頼みというのは人情かも。

   「白馬の王子(王女)様」願望は、若い女性だけでなく中年男女にもあると言えるのかもしれませんね。いやいや、30年の間に背負ってしまったしがらみにあえいでいるだけに、若い時代よりもっと強かったりして。まあ、だから「症候群」といってるんでしょうけど。

   「中学の同級生というのは、何十年ぶりに会っても、いつでも15歳に戻れる」というのはその通り。ただし残念ながら、私には、いつでもその時の気持ちに戻れる初恋の人はいない。

   女優陣は熱演だが、ちょっとひからび気味の黒木瞳より、中年体型丸出しの斉藤由貴のほうがいいと思うけど、どうかしら。

カモノ・ハシ

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