来日「金賢姫」軽井沢の鳩山前首相別荘に直行

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   20日午前4時の羽田空港、到着した小型ジェット機から『賓客』が降り立った。といってもその姿は傘で隠され、白服にサングラス姿がちらっと見えただけ。カーテンが引かれた乗用車に乗り込みそのまま軽井沢へ向かった。

   この賓客は政府が特別措置で招待された大韓航空機爆破事件の実行犯である金賢姫元工作員(48)。車は3時間半後、軽井沢の鳩山前首相の別荘に到着した。

はっきりしない政府招待の狙い

   キャスターの小倉が夏休みをとったのか、代わって笠井信輔アナが番組を仕切ったが、金賢姫元の来日にどの程度の意味があるのか、はかりかねている様子だった。

関心は高まるが…

   昨年5月、訪韓した外務省職員に「横田めぐみさんに会ったことがある」と話したことから、金元工作員の来日の話が進んだ。中井拉致問題担当相(国家公安委員長)は「国民の皆様に強い憤りと関心をお持ちいただく」のが狙いだという。

   笠井は慎重なことば遣いで、「拉致問題の関心を高めることに関しては、大きなインパクトなるとは思うのですが、それにしてもこの来日には驚きました」と話す。

   コリア国際研究所の朴斗鎮所長は、笠井に「来日をどう見ていますか」と聞かれ、戸惑い気味に次のように答えた。

「私も目的が何かすっきりとお答えできないです。ただ、来日がふさわしいかどうか若干疑問を持っています。(金元工作員は)大韓航空機の遺族には1度も会っていないし、対話もしていない。今回の来日の際に、『申し訳ないが日本へ行ってきます』など、(遺族に)何らかのメッセージでも置いてくればよかったのですが…。韓国の世論がこれで喚起できるかどうか極めて疑問です」

   また、拉致問題解決への新たな情報が得られるかどうかも疑問だ。朴所長は「日本政府が一つでも情報を得て前進させたいという意欲はひしひし感じますが、しょせん情報を得たとしても1987年以前の情報。こう言っちゃなんですが、思い出話にしかならない」と見ている。

   明日21日に金元工作員に面会するという横田滋さんも、「新しいニュースを手に入れることは難しいと思うが、どんな生活をしていたか聞いてみたい」と語っている。

入国に異例の例外措置

   来日には高いハードルがあった。死刑判決を受けた人物は、出入国管理法上は入国拒否の対象だし、爆破事件当時に偽造旅券を使った疑いが残っている。今回は政治判断でこれらは問わないことにしており、極めて政治的意味合いの強い来日だ。

   朴所長はこの点についても次のように指摘した。

「私は政治的意味合いを付加するのであれば、情報収集と同時に(金元工作員を)国会に招致して、北朝鮮の国家の体質はどういうものなのか語ってもらう。古い情報でもいいわけですから。 
そういうバランスを取っていれば、来日する大義名分は明確にできたが、今のままでは関係者が韓国へ行ってもよかった」

   厳戒態勢を敷いてのお出迎えだが、狙いがいまひとつ判然としない。

   「ある種、(政府の)パフォーマンス的なところもあるかなという印象はある」(ニューズウイーク日本語版編集長の竹田圭吾)と取られてもやむを得ない。

  
文   モンブラン | 似顔絵 池田マコト
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