NHK秋場所中継再開の『露払い』に見えた放駒理事長出演

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   ゲストの日本相撲協会・放駒理事長は前日(2010年9月8日)、野球賭博など一連の不祥事への最終処分を下した。協会としては「1つのくぎり」にしたいところだろう。番組の開始早々、国谷裕子キャスターは放駒理事長に「ウミを出しきったか」と問うた。

   「出しきったと言えない。まだ何か出てくる可能性も」と歯切れの悪い理事長。国谷が「存亡の危機は乗り越えたか」と畳みかけると、「俵に足をかけて残して、ちょっと寄り戻したくらい」と応じる。現役時代「クリーン大関」と呼ばれたという真面目な人柄が垣間見えた。

独立委「現状では公益法人審査通らない」

   不祥事に揺れる相撲協会は、公益法人の資格を取り消されるのではないかと噂される。就任1か月半になる新理事長の大きな仕事は、公益法人としての存続だと番組は伝える。国が平成25年までに公益法人の見直しを行うからだ。

   「多くの人の利益になっているか。情報が適切に開示されているか」(ナレーション)など、新たな基準を満たせるかが重要な課題だという。協会は「大きな目標」(理事長のことば)への提言を、外部の有識者からなる「独立委員会」に求めた。

   独立委の奥島孝康座長(早稲田大学大学院教授)は、現状の組織のままでは公益法人の審査に通らないとし、2つの改革を強調する。1つは理事会の構成。現在は10人の内部理事と2人の外部理事だが、透明性を高めるために、理事の3割程度は外部にする必要があると奥島は言う。

   「身内だけで固めた組織は内部に対するコントロールが行き届かない。経営者を監視・監督するシステムを強めなければいけない」(奥島)

   もう1つは親方株問題。引退力士が親方になるときは、退職する親方から親方株を譲り受けなければならないが、このとき億単位の金が動くケ-スもあるとされる。奥島は「金を持っていれば株は買える。その人が自動的に親方になるのはおかしい」と話し、「野球賭博に入れあげる人が親方になったりする。協会が厳密な審査を行って有為な人材をピックアップすべきだ」と語る。

各部屋と理事長は改革後ろ向き

   しかし、これらの意見には強い反発があるようだ。NHKが協会に属する51の部屋に実施した「改革についてのアンケート」(35部屋から回答)では、「外部の理事を増やすべきか」に半数が否定的、「親方株の見直し」にも40%以上が反対だったという。

   「内部業務がわからない人が増えても意見が分かれてまとまりがつかない」「長い間このような形できたのだから変える必要ない」などが代表的な声らしい。

   理事長自身、「議論にはなろうが、現実問題としてどうなのか。問題あると思う」と抵抗感を隠さない。「1つ1つ自答自問して納得する答えを出せたら、迷わず真っすぐに行きたい」(理事長)と述べるが、内部と外部の間で苦労するのではあるまいか。

   NHKは秋場所の生中継再開に踏み切った。番組はその「露払い」役を担ったのかもしれない。アンケートの内容をもう少し詳しく紹介してほしかった

*NHKクローズアップ現代(2010年9月9日放送「大相撲 改革は進むのか~放駒理事長に問う~」)9月 9日(木)放送

アレマ

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