「叱って育てる」和風の伝統…盛り込みすぎて印象散漫

印刷

<和風総本家(テレビ東京・テレビ大阪系9月9日午後9時)>わりと好きな番組ですね。「日本っていいな。」がキャッチコピーで、昔から続く日本の伝統や文化、しきたり、生活習慣、技と知恵などを紹介していく大人が楽しめる番組です。

   地井武男、萬田久子、東貴博がレギュラーで、一応はクイズバラエティーになっているのですが、クイズは番組のツマでしかありません。この日は「叱る」がテーマでした。私自身、今の日本で何が足りないのか、人を育てるために怒ったり叱ったりする人だと思っていたので、さっそく見ました。

さすが!有名旅館「仲居総チーフ」と京都「庭師」

   登場したのは、出前をしながら地域のパトロールをして、子供たちが危ないことをしていれば叱る頑固な蕎麦屋、弟子の息子を徹底して厳しく育てる和菓子職人、どぜう屋のオヤジたちで、「ウソはつくな」「やめちまえ」「あまったれんじゃないよ」「やる気あるのか」なんて怒号が飛び交います。

   弟子や従業員、見習いなどを「叱る人々」が8人出てきましたが、メインは三重・長島温泉の有名旅館「花水木」の仲居総チーフと京都の庭師。

   仲居総チーフは38年間この仕事を続けていて、130人からいる仲居のトップです。なかにはきのう今日来たばかりのアルバイトのような女の子もいて、客に対する言葉遣いもまったく知らない。それでいて、ちょっと注意するとすぐふてくされます。だから叱る。なにしろ、38年も客相手一筋ですから、叱ってもことごとく説得力があり、具体的なんですね。いやあ、旅館に泊まると、そんなところまで気を使われていたのかと感心しました。そして、叱られてやっと一人前の接客係になっていきます。

   京都の庭師は住み込みで鍛えています。寝食を共にすることで、庭師としてのチームワークを学び、現場での技術指導をはじめ、箸の上げ下げも先輩が後輩を厳しく叱って指導していました。庭師の仕事は一人でできるものではなく、すべて共同作業ですから、まずそこを生活から覚えて、それが研鑽の一環というわけです。それだけに、生活態度までうるさく叱ります。

   このお二人の「叱りっぷり」は納得できたのですが、ほかの人の中には、育てるために叱るといいながら、どうもただ怒りっぽい性格というだけじゃないかという人もいましたね。

   番組が総花的になってしまうのは、盛り込みすぎだからです。登場させるのは仲居総チーフと庭師、そのほか2人ぐらいにして、ここでいう叱るということの本質は、伝統を伝える側もそれを受け継ぐ側も真剣勝負だからだということを、もうちょっと正面に据えたら良かったのにと思いましたね。竜頭蛇尾という印象でした。

   もうひとつ気になったのは柴犬の子犬・豆助。人気があるからって、登場場面を増やしすぎです。これでは間もなく飽きられてしまいます。かわいい表情・しぐさをこれからもずっと見ていたいので、もっと大事に使ってあげてくださいね。

      叱りつつ 伝えていこう 和の心

  • コメント・口コミ
  • Facebook
  • twitter
コメント・口コミを投稿する
コメント・口コミを入力
ハンドルネーム
コメント・口コミ
   

※誹謗中傷や差別的発言、不愉快にさせるようなコメント・口コミは掲載しない場合があります。
コメント・口コミの掲載基準については、コメント・口コミに関する諸注意をご一読ください。

注目情報PR
追悼
シニアの健康ライフ
Slownetからのおすすめ記事(提携)

お知らせ

電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中