タレント同席の「待ち時間」これがなんとも苦手で苦痛で

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   どうも私は人との距離感をつかむのが苦手らしい。局の小部屋でこっそり執筆中、「すみません、ちょっとココいいっすか」と、別番組の男性局員が入ってきた。「うわ~!もしかしてこんなトコから恋が芽生えちゃう~っ!」とちょっとドキドキしてもいいのに、そんな気持ちはゼロ。

   微妙な距離感が気になってしょうがないのは、この打ち合わせ室の広さ。3畳分ほどしかないスペースで、それぞれ別の作業をしながら息をひそめている感じ。

   男性は何やら書籍からノートへ必死にメモを取っている様子。チラっと見てみる。と、相手を意識してしまった瞬間に、私のキーボードタッチのカタカタ音とヘッドホンから漏れるラジオの音が、妙に大きく聞こえだした。ワタシが先に会議室で作業しているのだから、彼も気を使えばいいのにまったくそんなそぶりはない。いっこうにお構いなしでメモを取っている。

   「なに?この空気~。変に緊張してきちゃうじゃない」と心の中で叫ぶワタシ。

   「あ~早く出ていってくれないかな。それに、なんでズカズカ入ってくるのよ、この無神経男」と思いながらも、そこは目も合わさず黙々とキーボードを打ち続ける。なにせ相手は局の男性。会議室を勝手に間借りしているのは、この私のほうだからである。よし、透明人間だと思って作業しよう。そうすれば、密室での同席も苦痛でなくなる。

黙っているのも意気投合するのもタブー

   しかし、相手が透明人間には思えないのが、タレント同席の待ち時間。ロケや放送時の待ち時間に、いったいどうやって相手に接したらいいのか不安になることがある。なんとなく天気の話題から入りつつ、最近の自分の失敗談や笑い話などをしてその場を乗り切るようにはしているのだが、どうでもいいような会話をしてしまい、相手に失礼ではなかっただろうかといつも落ち込む。

   ちなみに、ディレクター業だと出演者と友達感覚のように話をするのはタブーとされている。個人的な感情が入ってしまい、ダメ出しもできなくなるからだ。とは言っても人間同士。ずっと黙りこんでいるわけにはいかず、話をするのだが、これもあまりに意気投合しては、番組出演前に集中力を途切れさせ、なれなれしいとマネージャーから鋭い眼光を突きつけられたりする。

   おっと、彼が部屋を出て行った。「ホォーーーーーーーっ」と深く溜息。ひと言も会話することなく終わった同席は、時間にすれば30分もないのだろうが、実に長く感じた。そして一人に戻り、ふと思う一抹の寂しさ。急にキーボードを打つスピードが遅くなり、タッチがやわらかくなっている。これ、逆だろうがっ!!とツッコミを入れたくなるが、すでに後の祭り。

   やっぱり今日も人との距離感がつかめない私であった。

モジョっこ

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