羽田国際化まだまだ見劣り…アジアのハブ空港すごい!

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   10月21日(2010年)にオープンした羽田国際線タ-ミナルビルからの中継で、ロビーに国谷裕子キャスターが立つ。国谷によると、2011年2月には世界の17主要都市と結ぶ路線が開設され、3年後には国際線の発着が3倍に増加する予定という。

   24時間化で出発時刻の選択肢も増える。世界からの利用客が地方へ飛ぶための乗り継ぎ時間も短くなる。都心との距離の近さは世界トップクラスだという。モノレールや電車の新駅を出ると、すぐ発着ロビーが広がるなど、利便性は格段に高まった。

   羽田国際化の最大の目的は、アジアを代表するハブ空港として、急成長するアジア市場から「ヒト・モノ・カネ」を呼び込むこと。そのための課題を番組は教えてくれる。

シンガポール・チャンギは手続き3分以内

   韓国の仁川空港やシンガポールのチャンギ空港が、いち早く巨大空港化して多くの利用客を集めていることは有名だ。チャンギ空港の年間利用者は3700万人で、国の人口の7倍という。空港会社の部長は「空港がシンガポール経済、そして国そのものを支えている」と胸を張る。世界200都市と路線を開設しているチャンギ空港の徹底した「利用者目線」は刺激的だ。

   客が列に並んでから10分以内、カウンターに着いてから3分以内に手続きを終わらないと、担当者は罰金6万円を科されることもある。発着ロビーでは専門スタッフがサービスぶりや接客態度を利用者から聞いてチェックする。担当者は緊張せざるを得ない。日本人ビジネスマンは「ストレスもない。余分な体力も使わない。有効に時間を使える」と喜ぶ。

   物流の規制緩和も行き届いている。輸出の手続きが簡単なのだ。一般的には、製品を搬入すると、申告→審査→許可→積み込みと税関手続きは進む。これも、チャンギ空港は飛行機が飛び立ってから手続きできるのだという。出発までの時間を大幅に短縮できるわけだ。日本の大手運送会社がアジア最大の物流センターをここに置くのも頷ける。

   また、ことし4月には空港から車で15分の埋め立て地に複合施設をオープンさせた。目玉は4万5000人収容の国際会議場。これに劇場、ショッピングモール、カジノも併設したらしい。「ビジネスと観光を組み合わせることで外貨を稼ぎだす戦略」(ナレーション)である。

   国谷が「日本とシンガポールの発想の差は?」と尋ねると、ゲストの戸崎肇(早大アジア研究所教授)はこう答えた。

「シンガポールは非常に小さい国で、外から『ヒト・モノ・カネ』という資源を呼び込むために、空港をしっかりさせるのが国家戦略」

世界に比べて2~3倍も高い使用料

   しかし、このことは日本にも当てはまるように思えた。戸崎が話すように、羽田・成田が一体化して弱点を補い合い、かつ切磋琢磨し合って、アジアの先行勢に伍していくことが必要だろう。戸崎は羽田・成田への「一極集中化」によって、関空、中部ほかの地方空港が厳しい状況に置かれ、「空港淘汰」が起こる可能性も言い忘れなかった。

   このほか、世界標準に比べて2~3倍高いとされる空港使用料の引き下げ、増便で複雑化する管制操作など、課題は山積み。真新しいロビーが翳ったような気がした。

アレマ

NHKクローズアップ現代(2010年10月21日放送「羽田国際化 アジアの活力呼び込め」)

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