2024年 4月 26日 (金)

キラキラ女子のなれの果て…おっと、自分のことだった

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   台所には昼間食べたクラムチャウダーの鍋が流しにそのまま。どうにも胃がムカムカしている元凶のエスプレッソのメーカーと茶色く変色したマグカップも流しに置いたまま。部屋の中を見回すと、番組の紙資料や制作会社から送られてきたDVDが散乱している。

   目を覆いたくなるような惨状の部屋で、カタカタと攻撃的にパソコンのキーボードを打つ。もちろんその格好は、ノーブラでTシャツにスウェットパンツ。部屋着というよりパジャマに近い。自覚はしている。あまりにも女子として情けない姿であることを。そしてそのままの姿で時折ベランダに出てたばこを吸い、近所のマンション工事現場のお兄さんたちをチラと見る。そしてチカチカしてきた目に目薬をさして唸る。

   時計を見れば18時。このままひきこもりかと思っていたところに携帯が鳴る。学生時代のキラキラ女子仲間の一人だ。子供を夫に預け、久し振りに横浜から東京に出てきているという。これから飲まない?という悪魔のお誘い電話。いま出かけてしまっては、後が大変なことになる。どうしようかと悩みつつも、電話を切っていそいそ準備。1時間も経たずに再会し、ワイン居酒屋へ直行。

婚活に疲れ身に付けたなりふりかまわぬ生活力

   1度アルコールを流しこんでしまった私の喉と胃袋は、歯止めが効かない状態。飲むピッチが異常に速くなったのはストレスせいかと思いながら、ほろ酔い気分で店内を見渡してみると、店はカップルばかり。女2人組がほとんどいない状況だったことに気がついた。そして思い返す。

「あれっ、男の人と2人きりで食事をしたのっていつだったっけ」

   悪魔に毒され始めた私の脳は、すでに思考回路が停止。忘れてしまうぐらい遠い記憶を呼び出すことができなかった。

   すると、女友達がこんな話を始めた。ママ友達の夫と飲みに行くことになったらしいのだが、その時に男性から久しぶりに女性扱いをされてドキドキした感覚が忘れられないという。不倫ごっこをしているようなスリルと、何よりも嬉しかったのは女性扱いされたことだという。

   「わかる~、ソレ!! 私もノックアウト!!」とヨダレもので反応した私が、彼女からくぎを刺されたのは言うまでもない。

「まだ結婚してないし、仕事の現場でも男はウジャウジャいるでしょ。エスコートされただけで主婦は嬉しいけど、アンタはそれじゃマズイ」

   自分ではいつまでもキラキラ女子だと思っていたが、30代になると全くお声もかからなくなった現実を改めて再確認してしまう。

   某IT企業内定式で、自分たちのことをキラキラ女子と称し、みんな同じようなメイクをしていた女の子達も、あと数年で私と同じような気持ちを抱くのは間違いない。そしてこの街には、そうしたキラキラ女子のなれの果てがウジャウジャいる。彼女たちは婚活に励むことに疲れ、なりふりかまわず生活できる割り切りを覚えながらも、硬い鎧をまとい始めている。

モジョっこ

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