2018年 7月 22日 (日)

海上保安官「起訴」でも公判維持難しい

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   中国漁船衝突事件をめぐるビデオ映像の流出問題で、東京地検と警視庁は15日(2010年11月)、「私が映像を流出させた」と名乗り出た海上保安官(43)の逮捕を見送る方針を決めた。6日間にわたり事実上「拘束」された状態で事情聴取を受けていた保安官は16日未明に『釈放』された。「朝ズバッ!」はその一部始終を取り上げた。

裁判紛糾は必至

   保安官が所属する神戸の第5管区海上保安本部の玄関前。大勢の報道陣が待ち構えるなか、16日午前1時25分過ぎに姿を現した保安官は、カメラの前で深々と頭を下げた。

タイミング失った
「どのような意図で映像を公開されたんですか」

   記者からの問い掛けには応ぜず、無言でタクシーに乗り込み自宅へ。保安官は、代わりに弁護士を通じ次のようはコメントを出した。

「政治的主張や私利私欲に基づくものではありません。広く一人でも多くの人に、遠く離れた日本の海で起こっている出来事を見てもらい、一人ひとりが考え判断し行動してほしかっただけです」

   逮捕を見送った背景には何があったのか。元東京地検特捜部副部長の若狭勝(弁護士)が次のように解説した。

「逮捕するかどうかというのは、起訴した場合に裁判でどういう展開になるか見極めることで判断する。今回は秘密性という点で問題があり、裁判が紛糾することが考えられ、国民のバランス感情も考慮し逮捕を見送ったと思う」

   TBS解説室長の杉尾秀哉「これだけ時間がたってしまったら逮捕はできないだろうなと思っていたら、結局そうなった。タイミングを失したということですね」

   では、保安官が名乗り出た直後なら逮捕できたのか。その時すでに秘密性に問題が生じていたのだから逮捕が難しかったことに変わりないはずだが…。

   もともとは政府の対応の稚拙さからきている。保安官の映像流出問題をめぐる処分うんぬんよりも、責任を取るべきは領土問題が起きたときの政府の場当たり的な対応。シミュレーションが全くできていなかった。

   週刊エコノミスト編集長の内野雅一の次の発言が、この問題に対する国民の多くの思いと一致するのではないか。

「政治が『他人事』のように思っていて、時間に解決を任せていたこと。領土問題は国の本質的な部分なのに、自分たちのやるべき信念とか確信がいっさいなく、時間だけに任せ、一番みっともない方策だった」
文   モンブラン | 似顔絵 池田マコト
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