2020年 12月 1日 (火)

エジプト「ムバラク後」―受け皿なく原理派台頭でイラン化

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   「クローズアップ現代」でしばらくぶりに国際情勢をストレートに取り上げた。ムバラク大統領の退任を求める大規模デモが起きたエジプトのニュースである。

   エジプトといえば、ピラミッドやルクソール、王家の谷、ツタンカーメンなど、数千年前の歴史遺産ばかりをついつい思い浮かべてしまうのだが、現在は国際政治的にも重要な国らしい。人口は中東最大の8000万人。国民の大多数がイスラム教徒だが、イスラエルと平和条約を結んでいる。それはもちろん米国からの覚えもめでたく、ムバラク政権下で両者はこれまでわりと緊密な関係だったという。

   この日の放送はムバラクが9月の大統領選不出馬を発表する前のものだったが、ムバラクが早晩辞めざるをえないことは織り込みずみといった扱いで、番組はポスト・ムバラクはどうなるかに力点をおいていた。

エルバラダイも求心力低い

   NHKカイロ支局の藤井俊宏記者は、国内のデモなどが「さまざまな勢力が反ムバラクという1点でまとまっている」と言い、一部報道では次期大統領の有力候補ともされているが、前IAEA事務局長のエルバラダイ氏も「国内での求心力は低い」と伝えた。

   スタジオゲストの専門家、山内昌之・東大教授は、エジプトの最大野党であるムスリム同胞団について「幹部は高齢化していて、イランのホメイニ師のようなスター性のある人物はいない」と分析。今後、民主的な選挙が行われれば、ムスリム同胞団が相当な数の議席を取ると予測している。

   だが、その後に別のイスラム勢力が伸張して、ついにはイランのようなイスラム国家になるといった未来も考えられないではないらしい。スター不在のムスリム同胞団などがムバラク後の受け皿になれるかは不透明で、国内の混乱が続いた場合、もっと先鋭的なイスラム原理(反欧米)的な勢力が実権を握る可能性があるといったことのようだ。そうなれば、イスラエル、米国との関係悪化などで中東情勢はますます不安定になる。国際安全保障的にありがたくないシナリオかもしれない。

ボンド柳生

*NHKクローズアップ現代(2011年2月1日放送「エジプト騒乱~中東はどこへ~」

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