伝わらない「安否」―不明者確認は阪神淡路のたった「1万数千分の51」
2011.03.22 18:00
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グーグルサイトでやっと「無事です!」
宮城・多賀城市の職員高橋圭蔵さんは、石巻の実家へ里帰りしたままの妻と2人の子どもと連絡がとれなかった。横浜市の会社員・星野洋さんは石巻の両親を訪ね、無事を確認したあと避難所へ行き、伝言板に無事を伝えるたくさんの名前をみた。「これは伝わってないのではないか」と携帯カメラで撮影、ネットに載せた。都内のIT企業の佐藤光国さんがこれを打ち直して文字でネットに載せた。なかに高橋さんの家族の名前もあった。 地震から5日目の夜、高橋さんに1通のメールがきた。
「そのちゃん(妻)たちは無事。 避難リストで名前をみつけました」
川崎の友人からだった。「涙が出ましたね」と高橋さんはいう。
名前が載ったのはグーグルのサイトだった。NHKも同じサイトで各県ごとにデータベースを作って載せている。NHKオンラインから検索ができるのだそうだ。まさに「命の情報」だ。
高橋さんは好運だった。一方、電気も電話も通じないなかで、なお張り紙に頼るたくさんの人たちがいる。1万3000人という数字がその落差を如実に示している。
*NHKクローズアップ現代(2011年3月21日放送「『命の情報』がつかめない」)