出演者の母校「桜中学校3年B組」―主役は武田鉄矢じゃなかった!

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3年B組金八先生ファイナル(TBS系3月27日よる7時)>

   3.11以来、なんど目をこすっても覚めることのできない悪夢のような出来事を前に、茫然とする一方、食べる、働くといった日常生活は容赦なく続いてゆき、なんとかそれに対応することで人々は平静を保っている。そんな感じのする東京である。

   しばらくテレビはドラマどころではなかったが、徐々に連ドラも放送され、次々と最終回を迎えた。東京電力や原子力安全・保安院(いまや原子力不全・不安院と言われているらしい)のなんともイライラする記者会見の合間に、録画しておいたものを見た。

   だが、どんなラブ・ストーリーも複雑な犯罪も、日本がチェルノブイリと化すかもしれないという圧倒的な現実の前では、「そんなこと、大したことないじゃないか」としか思えなかった。ドラマ制作の関係者や俳優にとっては、そういう意味でも災難であっただろう。

なぜか登場しなかった性同一障害の生徒・上戸彩

   そんな中、あの金八先生がついに本当の終わりを迎えるというので、予定調和ののどかな世界に浸りたくて、見ましたよ、4時間スペシャル。うーん、さすがに長かった。疲れた。でも、32年間を大急ぎのダイジェストで振り返るうちに、懐かしさが湧いてきた。いつの間にか、物マネの定番となり、お笑いの対象になってしまった武田鉄矢の金八先生も、32年前はあんなに若かったのね。

   最後に、歴代の3年B組の生徒たちが勢揃いして、定年退職となる金八先生の「卒業式」をする。先生が1人1人の出席を取ると、いまは一人前の若者や娘、オッサンやオバサンになった昔の生徒が立ち上がり、出演シーンが数秒間流れる。その対比がおもしろかった。現在は普通の職業についている人の方が多いだろうが、いまも芸能界で活躍している人を含めて、例外なく中学生時代の方が輝いている。彼らにとって、この「桜中学校3年B組」はきっと本当の母校だったのだろう。そして、このドラマの本当の主役は武田鉄矢じゃなくて彼らだったのだ。

   ただ、「腐ったミカン」という言葉を流布させた第2シリーズで、鮮烈な印象を残し、その後、36歳で自死した沖田浩之の姿がなかったのに改めて胸が痛んだ。良い俳優だったのに。それと、性同一障害という難しい役をやりとげた上戸彩の姿がなかったのも残念だった。

文   カモノ・ハシ
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