「地元で漁師やりたい」就職先消滅で途方に暮れる宮城水産高校

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   「学校再開 子どもたちは今~大震災から2か月~」と題した今回の放送。宮城県石巻市にある水産高校では、震災で生徒2人が犠牲なったほか、6隻の実習船もすべて損傷した。地盤沈下の影響で、満潮時に校舎が浸水するようになり、別の高校に学舎を移さざるをえなくなった。5月上旬になって、1か月遅れで授業がはじまった。

   その一方、大型船舶の免許を取るのに必要だという遠洋航海実習は、県所有の実習船が被災を免れたため、実施できるはずだった。ところが、ここでも「震災」が立ちふさがった。実習を行う予定の米国(ハワイ沖)が、福島原発の半径80kmを通過した船が入国する際に、放射能の検査を義務づけた。その費用が少なからずかかるなどの点が懸念され、実習の実現が危ぶまれているという。

復興の担い手「県外流出」心配する教師たち

   生徒の就職先となるはずの地元の市場や加工会社も失われた。同校の3年生は、地元の水産関連の会社に就職する予定だったが、「こんなになって就職あるのかないのか不安だし、どうしたらいいのか」と話す。わかめの養殖などをやっていた実家も被害にあった。それでも、港の再生、復興を目指して、がれきの撤去作業に精を出す日々だ。「地元が好きなので、ここで仕事がしたい」と言う。

   学校では、教師たちの緊急会議が開かれていた。地元の就職先が見込めず、復興の見通しも立たないなか、県外への就職を積極的にすすめるかどうかがテーマだ。

   「県外で、いろんなものを吸収して戻ってきてくれればいい」と話す教師に、「地域の担い手が流出してしまうという危機感も出てくる。まったく帰ってこないとなったら、誰が復興の原動力となっていくのか」と懸念する意見も出た。教師の悩みも深まっているという。

ボンド柳生

NHKクローズアップ現代(2011年5月10日放送)
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