大震災の年にあらためて戦争を考える~原爆・終戦スペシャル番組

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   広島・長崎の原爆の日、終戦記念日に合わせて、原爆や戦争の特別番組が今週末から続く。今年はドラマでは「絆」をテーマにしたものが目立つ。

   まず、8月5日(2011年)放送の「この世界の片隅に」(日本テレビ系よる9時)は、文化庁メディア芸術祭で最優秀賞を受賞した同名漫画を原作に、空襲で片腕を失った女性(北川景子)が夫や周囲の人々への温かい思いを胸に懸命に生きる姿を描く。ドラマでは当時の暮らしをていねいに再現し、戦争の映画であると同時に、女性の生き方を軸としたメロドラマに仕上がっている。

   8月12日の「犬の消えた日」(日本テレビ系よる7時)は、軍の命令で愛犬を供出する家族の物語だ。いつもいるはずの犬がいなくなった家族はギクシャクしはじめ、愛犬が結んでいた大切な絆を知る。日本テレビ系はこれに続く「金曜ロードショー」(よる9時)で「硫黄島からの手紙」を放送する。

   13日のフジテレビ系は実話をもとにしたドラマ「最後の絆 沖縄 引き裂かれた兄弟~鉄血勤皇隊と日系アメリカ兵の真実~」(よる9時)だ。貧しいながらも寄り添って生きていた家族が、沖縄戦で敵と味方になって戦争に巻き込まれていく。生活を支えるためにアメリカに渡った兄は日系人部隊の兵士として沖縄に進軍し、弟は日本軍に「鉄血勤皇隊」として徴兵されてしまう。

   テレビ朝日系の「日曜洋画劇場」(14日よる9時)は戦前・戦中の思想・言論弾圧の中で懸命に生きた家族を描いた「母べえ」、NHK・BSプレミアム「BSシネマ」は戦争の不条理を鋭くえぐった名画「人間の條件」を6回(8月15~18日よる9時、19~20日夜10時)にわたって放送する。

なぜ戦争は起こったのか、なぜ止められなかったのか

   ドキュメンタリーは戦争や原爆の悲惨さを描くだけでなく、理不尽な戦争ががなぜ起こったのか、なぜ止められなかったのかを掘り下げようという番組が多い。NHKの地上波では「NHKスペシャル」で「原爆投下 活(い)かされなかった極秘情報」(6日よる9時)、「圓の戦争」(14日よる9時)、「日本人はなぜ戦争へと向かったのか 戦中編~果てしなき戦線拡大の悲劇~」(15日よる9時)を放送、このほかにも「二度と原爆を使ってはいけない~核兵器廃絶を訴えた異色のGHQ司令官」(8日よる10時)が予定されている。

   NHK・BSではハイビジョン特集で「ヒロシマの黒い太陽」(6日よる10時・プレミアム)、BS特集「もう一つのグアム 戦争に翻弄された日系人たち」(15日よる9時・BS1)。「証言シリーズ」(BSプレミアム)の特別バージョン「青い眼の少年兵」(13日よる10時)は、日中戦争に従軍した兵士の証言をもとにしたドキュメンタリードラマだ。中国奥地で苦戦していた日本軍の兵長は、戦闘の混乱の中で、目を負傷した敵の国民党軍の少年兵を救う。兵長は少年に義眼を贈ろうとかくまい続けるが、もとより軍紀違反。兵士であるべきか、そうである前に人間であるべきか…。悩む兵長を中国人の父親と日中混血の母をもち、中国から日本に帰化した阿部力が熱演している。

   凄惨な戦場から生還した元日本将兵の証言を集めた「兵士たちの戦争」(BSプレミアム)も、15日に「特攻の目的は戦果にあらず」(夜6時)、16日に「持久か玉砕か 翻弄された前線部隊」(夜6時)を放送する。

   東日本大震災であらためてこの国のありようと暮らしを考え始めた日本人にとって、もう一つの原点を見直す1週間だ。(テレビウォッチ編集部)

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