「松田直樹」急死の引き金!?離婚ストレスと元嫁姑確執

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   菅直人首相がようやく8月いっぱいで辞任することを決意したようだ。まだまだ予断を許さないが、これを受けて何人かが代表選に名乗りをあげ始めたが、どれもこれも帯に短しで、ポスト菅は誰がなっても現状と五十歩百歩であろう。

   「週刊朝日」が6ページを割いて菅直人インタビューをしているが新味はない。こうしたときは、彼が犯してきた数々の過ちを追及して、短気な「イラ菅」を怒らせて本音を引き出さなくてはならないはずである。それがほとんどできていないのは残念というしかない。

   週刊誌的には「アサヒ芸能」の「『総理の側近』副大臣が本誌に爆弾証言 菅内閣から自殺者が出る!」のほうが読ませる。先の衆議院経産委員会で海江田万里経産相が泣き崩れて話題になったが、他にも精神的に危ない大臣が何人もいるそうだ。7月初めに宮城、岩手を訪問した松本龍復興担当相が、両県知事に暴言を吐き辞任に追い込まれたが、そのすぐ後に「躁状態」と診断され、入院してしまったのはその典型である。

   アサヒ芸能によれば、小沢一郎寄りと思われツライ仕事を任されている細野剛志原発事故担当相、「菅総理の朝令暮改に振り回され、野党との折衝で心身ともにヨレヨレ」の玄葉光一郎国家戦略相、「地元、宮城県石巻市からの突き上げも加わって、最近は『ツライ。もうやってられない。ホント、死にたくなってくるよ』と、青白い顔で冗談とも思えない弱音を連発している」安住淳国対委員長も危ないというのだ。

   精神科医は自殺する人は必ずサインを出すといい、海江田の手のひらに書いた「忍」の文字や号泣、安住の「死にたい」発言はそれにあたり、心が折れた証左だというのである。大震災に原発事故、留まるところを知らない円高と、大国難の時代にこの程度の宰相や政治家しかいないというのは国民にとって最大不幸社会であることは間違いない。

元妻、危篤で駆けつけても面会許されず

   さて、「なでしこジャパン」をきっかけに女子サッカー熱が盛り上がっているようだが、8月10日(2011年)の対韓国戦を快勝したサッカー日本代表の強さには、目を見張るものがあった。試合開始前、8月4日に練習中に急性心筋梗塞で急逝したJFL松本山雅FCの松田直樹(享年34)への黙祷が行われた。彼の元日本代表としての活躍やサッカー魂が讃えられ、「週刊現代」は表紙に「哀悼 元日本代表松田直樹」と入れた。

   しかし、私が知る限り、彼が妻と離婚して3人の子どもと離れて暮らしていることは、どこも簡単に触れているぐらいである。そんな中で、「女性セブン」は「『危篤の病室前』元嫁姑激突『あんたに死に水は取らせない』の凄絶」を掲載している。今年の春にも、キャンディーズの田中好子(55)の早すぎる死を日本中が悼んでいるとき、「週刊女性」は夫・小達一雄に子どもまでいる愛人のことを書いて議論を呼んだ。昔から、女性誌のほうがこうした夫婦間のスキャンダルを取り上げるとき、切れ味鋭く容赦がない。

   セブンによれば、二人が結婚したのは98年で、人もうらやむほどのおしどり夫婦だったという。転機が訪れたのは昨年11月。松田は16年間在籍していた横浜F・マリノスから戦力外通告を受けたのだ。松田はあくまでも現役にこだわった。マリノスからコーチ就任の打診があったが断った。しかし、奥さんのほうは、子どもの将来のためにも、いろいろな選択肢を考えてほしかったが、聞く耳は持たず、口論になることもしばしばだったという。それ以前から、生き方の相違で心が離れ、二人は離婚へ向けて話し合いを始めていたのだそうだ。

   そこへ姑が口を挟むようになった。松田家の知人がこう語っている。

「『うちの嫁は派手でブランド好きで、直樹の金で贅沢をしてる』って親しい人には愚痴をこぼしていましたから」

   財産分与や子どもの親権問題で折り合わず、離婚までに約2年を費やし、子ども3人は妻のほうが引き取った。

   そして8月2日、元夫の危篤を知った彼女は子どもたちを連れて長野県の病院へ向かうが、元姑に「あなたには病室に入ってほしくない」と面会を断られ、頼み込んで子どもたちだけを父親と対面させた。4日に、彼女は諦めきれずもう一度車を駆って病院へと向かう。今度は面会が許され松田に会えたものの、すでに彼は帰らぬ人となっていた。告別式の日、子どもたちは出席したが、元妻の姿はなかった。

   有名無名を問わず、どの家庭にでもある嫁姑問題である。だが、サッカー一筋に打ち込んできた松田という人間にも、こうした私生活上のトラブルがあったことを知ることで、私には彼が身近に感じられるようになった。年齢とともに衰えていく肉体、現役へのこだわり、離婚などがストレスとして蓄積され、心筋梗塞のトリガーになったのではないか。

   そういえば、伊良部秀輝(享年42)が自殺したのも、奥さんが彼のもとを離れていってそれほどたたないときだったという。女は離婚や夫が亡くなっても精神的に怯まないが、男は一人になるとからきし意気地がない。長生きしたかったら「たのしみは春の桜に秋の月夫婦仲良く三度食う飯」(五代目市川団十郎)ですぞ。

朝日新聞よお前もか!幹部OBと電力業界のズブズブ関係

   合併号が出揃ったが、質量ともに読み応えがあったのは、先週も書いたが、「週刊新潮」の「ワイド『大和なでしこ』漂流譚」である。単独の特集記事では現代の「東電マネーと朝日新聞」をおもしろく読んだ。

   朝日新聞OB・井田敏夫が社長をしている「井田企画」が発行している「SOLA」という情報誌がある。事実上、東電のPR誌であるこの雑誌は、1989年8月に創刊された季刊誌であるが、この雑誌は東電本店営業部が一括して買い上げ、各営業所に配布される。編集長に元週刊朝日副編集長の江森陽弘、看板の要人インタビューには元朝日新聞論説主幹の田中豊蔵、元朝日新聞論説委員の岡田寛治が環境問題にまつわる寄稿をしている。また、「井田企画」の中に00年11月に「地球こどもクラブ」という特定非営利活動法人が設立されており、もちろん東電からも寄付を受けているが、北海道電力、東北電力、四国電力、日本原燃も会員企業になっている。ここにも先の元朝日新聞OBがずらり並び、中江利忠元朝日新聞社長までもが名を連ねている。

   朝日新聞は世間で反原発寄りだと見られているが、総論では原発推進に賛成してきたし、その社論をリードしてきたのは田中慎次郎に始まる「田中学校」だったと、現代は指摘している。中でも岸田純之助は科学畑が長く、電力業界とは親密で、関電の広報誌「縁」の監修者にもなり、91歳のいまも「日本原子力文化振興財団」の監事を務めているという。

   江森はインタビューに答えて、こう話している。

「(中略)恥ずかしい話しですが、地震が起きてやっと気が付いたんです。これは東電が朝日新聞を巻き込んだ世論操作のための隠れ蓑だったのかもしれない、と。かかわっているメンバーを見れば、それは否定できないですよね。気付くのが遅かったんです」

   「原子力の父」正力松太郎が社主として君臨し、日本の原発の旗振り役をしてきた読売新聞と東電との関係はもっとズブズブだろうが、朝日新聞よおまえもかである。

高速列車事故「死者35人」の中国的意味

   同じ現代に興味深い記事がある。中国には「35の法則」というのがあるというのだ。今回、浙江省温州市で起きた高速鉄道事故でも、最初は「死者35人」と鉄道省が発表した。その後、解体直前の車両から死者が出てきたりして修正されたが、こうした隠蔽体質を批判する中国のネットでは、中国国内で起きた多くの事故発生時に、死者の数が35人と発表されることが多いと問題になっているというのだ。

   中国では重大事故が起きても正確な死傷者を確認できないのが実情。しかし、なぜ35なのか? ビジネス・ブレークスルー大学教授の指摘がおもしろい。

「中国語の『3』には『多次または多数』の意味がある。(中略)中国で重大な事故や災害の死亡者数は、たいていの場合で35。『たくさん』を意味する『3』を10倍して5を足したくらい『とてもたくさん』の人々が死亡したという意味で使っているに過ぎない」

   南京事件の死者30万人、抗日戦争の中国側の死傷者数を3500万人というのも同じ感覚だというのだ。そうすると、南京大虐殺は幻だとか30万人は多すぎるといくら批判しても、中国側は、少なからぬ人間が殺されたのだから3という数字を使ったのだといい募ることができるわけだ。ディズニーやアンパンマンのキャラクターをそのまま真似ても、わが国独自のアイデアだとぬけぬけといい張る国だから、日本人とはまったく違う思考回路を持っていると考えなくては、対話は成り立たない。

   各誌、合併号と力が入っている中で、「週刊ポスト」の注目すべきものが「特別付録 春画の秘宝 四十八手」という袋とじの中に入っている小雑誌だけというのは、少し寂しい。合併号明けに期待しよう。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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