吹石一恵の子持ち主婦モデル―「自分さがし」の動機がくだらない

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   <バラ色の聖戦(テレビ朝日系日曜よる11時)>9月スタートの新ドラマで、コミックを原作とする主婦の「自分さがし」がテーマである。「自分さがし」といっても、たとえば地道に介護ヘルパーの資格をとって働くとか、猛勉強して司法試験をめざすとかではない。努力によって道を開くのではなく、モデルになるという思いっきり現実離れした華やかな世界であるところがミソなのかもしれない。これって形を変えたシンデレラ願望だよね。「白馬の王子さま」なしでは成り立たないのだ。

いまどきあんなアナクロ亭主いるか!?

   30歳、2人の子持ちの主婦・真琴(吹石一恵)は家事と子育てに追われ、身なりもかまわずお腹まわりには脂肪がたっぷり。夫の敦司(長谷川朝晴)はまったく家事・育児に関わろうとせず、外で働いて「疲れているから」と開き直る。それでいて、妻が外で働くことを「許さず」、家庭をしっかり守っていればよいという男。だいたい、「許す」とか「許さない」とか、何様? お前は昭和40年代の高度成長期の男か。そんなのは父ちゃんの世代で終わってるだろとツッコミたくなるくらい描き方が古いが、まあ、それはお話の進行上の都合ということよね。今どき、そんな男にまともなヨメは来ない。

   そもそも、主婦という「○○の妻である以外の何者でもない自分」に耐えられるとは、なんという勇気だろう。男なら「○○の夫である以外の何者でもない自分」に耐えられるほど度胸のある人間はめったにいないだろう。いたら私は尊敬する。

「バラをまとうのよ!」決めゼリフも空回り

   この夫、さらにダメ押しのように浮気をする。しかも部下であるその女の仲人として、結婚式で女の手を引かされるという屈辱を受けるにいたって、真琴の忍耐も限界に。自分を女として見てくれない夫に、美しくなってもう1度振り向いてもらう決心をする。そんな下らない夫は捨ててとならないところは、あくまで現実の枠組みから出たくない読者主婦層に対応している。捨てた夫以上のいい男をゲットできる見込みはないことが、みんなわかってるからね。

   「白馬の王子さま」はカメラマンの浅野(要潤)。浅野の言葉に勇気を得た真琴は、雑誌のダイエット企画の読者モデルに応募する。シンデレラを助けるもう1人、魔法使いのおばあさんはモデル事務所の社長・川瀬まどか(夏木マリ)。ライバルとなるのは紗良(芦名星)。第2回はオタク相手の撮影会など、モデル界の実情が面白かった。

   トップモデル・茜子(滝沢沙織)がこちらを指さしてキメるセリフ「女なら、いくつになってもバラをまとうのよ!」にまったく動じない自分に、ちょっと複雑。

(カモノ・ハシ)

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