2024年 5月 3日 (金)

オウム裁判終了―死刑執行やはり首謀者・麻原彰晃から

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むしろ今は「盲信教団」生まれやすい時代

   では、現在の信者には、かつての殺人教団のような危険性はないのか。江川によると、「サリンを作るなどの物理的な危険性はないに等しいが、上から言われたことに対して自分で判断できない心理的危険性は引きずったままで16年来ている」という。公安調査庁も「『麻原回帰』というよりずっと思い続けていると考えた方がいい」と指摘する。

   江川は、あの教祖のどこに帰依する魅力があるのかを元信者に聞いたところ、「もやもやした不安があるなかで何を聞いてもすぐに答えを出してくれる」という人が結構いたという。

   最後に江川は次のような指摘をする。

「今の時代は、経済状態や原発、多発する災害で不安の多い時代。オウム的なものが蔓延しやすい。ひょっとしたら自分たちも当事者になるかもしれないというぐらいの意識で、教訓を生かしていくことが大事だ」

   殺人の動機などは指示した麻原本人が語らないので未解明な部分が多い。江川は「その一方で分かったこともたくさんあった。それぞれの信者は、私たちの隣にいてもおかしくない人たち。それが人格を変え、思考力を奪われ、殺人の指示に唯唯諾諾として従ったプロセスは、私たちのある種の『財産』として、大事なものとして記憶していかなければいけない」

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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