「浦安液状化訴訟」傾いたマイホームの賠償請求勝てるか?

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   東日本大震災の液状化現象で家が傾くなどの被害を受けた千葉・浦安市の27戸の住民32人が、きのう2日(2012年1月)、宅地を開発した三井不動産と系列会社を相手取って、「適切な地盤改良をしなかった」と、約7億円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。

地盤改良しなかった責任

   震災で浦安市は市域の85%が液状化し、8500戸が被害を受けた。訴えたのは、パークシティー・タウンハウスⅢ の住民で、木造3階建ての集合住宅70戸 があるが、大規模半壊32戸、半壊28戸、 一部損壊10戸の被害を受けた。

一生の買い物なのに

   震災後、傾いた家の中での生活を強いられた結果、家の中でも笑顔がなくなり、平衡感覚がおかしくなるなどの影響に悩まされ、さらには住民同士の関係までがおかしくなったという。訴えに至ったのは、道路1本隔てた都市再生機構(UR=旧住宅公団)が開発した住宅では全く被害がなかったこと。建物の完成・分譲は1981年とまったく同じだが、URはサンドコンパクションバイル工法という液状化対策をほどこしていた。圧縮して固めた砂のパイルを打ち込む方法で、今回の震災にも有効だった。三井不動産は危険性を認識していたのに地盤改良をしな かった(不法行為)というのが訴えだ。同じように地盤改良した東京ディズニーランドは被害がなかったこともあげている。

   作家の吉永みち子「なぜこんな差が?という疑問は当然ですよ。すべきことをしなかったというのが争点になるのか」

   司会の羽鳥慎一「ただ、できたのが30年前ですよね」

不法行為は20年、瑕疵担保責任は1年の壁

   田中喜代重弁護士が解説した。訴えた理由は2本立てで、(1)予見できたのにやらなかった不法行為と(2) 売買の瑕疵担保責任。不法行為の方は、先に作ったURは地盤改良をしていたのに三井不動産はしなかったと原告は主張しているが、田中は「URは 鉄筋住宅で重いので強化する必要があったのかもしれない。一方、三井の方は木造なので同列に論じられるかどうか」という。

   羽鳥「パイルは地盤のためではなかったかもしれない?」

   また、不法行為は20年間しか責任を問えない。ここは30年経っている。除訴期間の始点をどこに持ってくるか。さらに2つ目の瑕疵担保責任は1年までだ。

   田中「結論から言うと、どうなるかはわからない。また、相手が三井不動産という大きな会社だったから裁判もできるが、相手によっては不平等も起るということ」

   羽鳥「不動産は一生の買い物なのに、責任が1年ですか」

   法律は不動産のためだけじゃない。この訴訟の成り行き次第では別の動きも出てくるかもしれない。その意味では注目の裁判になる。早く動いてもらいたいものだ。

文   ヤンヤン | 似顔絵 池田マコト
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