2024年 4月 29日 (月)

お婆ちゃんの知恵で電気生み出せ!すきま風発電、雨どい発電

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自然をちょっといなして使う満足感

   国谷「マイクロ風力発電と楽しみはどう繋がるのですか。そこが分かりにくいのですが…」

   石田「今のテクノロジーは、テクノロジーそのもの効率化だけを測るモノサシが多く使われていて、それなら風力発電は大きいほどいいということになります。しかし、それがわれわれの豊かさに繋がるのだろうか、ちょっと違うのではないかと思うんです。
   楽しさ、豊かさの構造には、自分が関与して電気を作る。作った電気を自分で使う。そうすることで心が豊かになり、楽しくなるという概念があるわけで、そういうモノサシで測れば、軒先でクルクル回る風力発電があってもいいという発想につながっていくんです。
今のテクノロジーは自然を力まかせに制御しようという発想。そうじゃなくて、自然をちょっといなして使う。そういうことが新しいテクノロジーの形になると思っています」

   自然の仕組みを生かしたビジネスの開発は海外でも進んでいて、蚊の口をもった痛みの少ない注射針の開発もその一つだ。こうしたビジネスモデルは「ブルーノート」といわれ、10年間で1億人の雇用を生み出すという研究者もいる。石田は最後にこう指摘した。

「本当は、大きな自然の循環のなかにいるのに、われわれはそれを忘れてしまった。蛇口をひねれば水が出る。スイッチを押せば電気がつく。おカネと利便性というモノサシではかり、ブラックボックスをいっぱい作ってしまったんですね。
   自然の循環の中に豊かな暮らしがあることを見直す必要があるんじゃないでしょうか。そんな自然観を持っているのは先進国ではおそらく日本人だけ。それを文化に醸成したのは江戸の粋の概念。それを今の世界で組み直すことが求められているとおもいます」

   自然をねじ伏せるだけに腐心してきた科学技術。発想の転換には科学技術の知識だけでは足りない。哲学や文学など人文科学の研究も必要なのかも…。

モンブラン

NHKクローズアップ現代(2012年3月14日放送「90歳がかえる未来のテクノロジー」)

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