電気料金「家庭向けぼったくり」販売電力量4割で利益の9割

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   東京電力は販売電力量4割の家庭向けからなんと利益の9割を上げていた。きのう23日(2012年5月)に開かれた経済産業省の電気料金審査専門委員会で、こうしたいびつな収益構造が問題となった。「声を上げられない家庭向けの利用者から吸い上げるなんてずるい」。コメンテーター小松成美(ノンフィクション作家)ならずとも、そう思うのが普通だ。

文句言わない一般契約者は総括原価方式で利益上乗せ

   家庭向けから利益の大半を確保するのは東電に限らない。2006~10年の全国10電力会社の平均でも、販売量4割の家庭向けから利益の7割を稼いでいる。家庭向けの電気料金は、コストに一定の利益を上乗せする総括原価方式で決まるため安定的利益が見込める。一方、企業向け電力は自由化されており、新電電の参入で価格競争も進んでいる。こうした電気料金設定の仕組みの違いが背景にあるとはいえ、取りやすいところから取るという構図になっていることは否定できない。

   審査委員会で東電側の説明に立ったのが常務の高津浩明お客さま本部長だった。今回の値上げの理解を求めて、「朝ズバ!」をはじめ各ワイドショーに出演してきた「東電の顔」だ。物腰やわらかく言葉遣いは丁寧だが、不都合なことはなかなか認めない。家庭向けの利益が高いことについて、「企業向けは燃料費のウエイトが高く、燃料費の高騰が収益を圧迫した」などと釈明した。

   委員会では東電の高コスト体質が取り上げられたが、それに関する説明で高津は「安定供給を最重要視して、品質、安全リスクを冒してまでコスト削減に取り組む意識が弱かった」と、まるでコスト削減のためには品質や安全を犠牲にしてもいいのかと居直ったような発言をして、委員の怒りを買っていた。

あの「お客様本部長」常務 6月末にさっさと天下り

   その高津、6月28日付で東電関連会社の東光電気の社長に就任する。電気料金値上げが実施される前に、さっさと「天下り」するというわけだ。お客さま本部長の役割はもう終わったというのだろうか。再三のテレビ出演にもかかわらず、値上げに対する利用者の理解は進むどころか、高コスト体質やいびつな収益構造が次々明らかになるなか、むしろ反発が強まっている。お客様への説明はこれからが正念場という時なのに、関連会社の社長の椅子が用意されていたとは、ずいぶんな「ごほうび」だとさらに批判が高まることさえ予想される。

文   一ツ石
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