2024年 5月 6日 (月)

ギリシャ再選挙「究極の選択」ユーロ離脱で国家破綻か、緊縮策で生活破綻か

最大の支援国ドイツでは「もう見捨てろ」60%

   ニッセイ基礎研究所・主任研究員の伊藤さゆりさんは、「放漫財政で支持基盤を広げてきた旧2大政党への反発票が左派へいっている。左派もユー ロ離脱はしないといっている。EUなどとの支援交渉を考えているようだが」という。ユーロのとどまっても緊縮策緩和ではIMFは応じまい。一番怖いのはユーロへの不安が、ポルトガル、スペインなどへ飛び火することだ。EU諸国もそれは望んでいない。

   ギリシャ支援をリードするドイツのメルケル首相は、「ギリ シャ国民が賢明は判断をするよう望む。ユーロ圏に残ることが私たちの望みだ」という。ドイツはユーロ圏貿易で一人勝ちだが、ギリシャが切り離されるとドイツにもはね返る。ただ国内の空気は厳しい。ミュンヘンでの抗議集会の参加者は「ギリシャにはもう十分やった。後は自力でやれ」と言う。ドイツの支援総額は575億 ユーロ(6兆円)。世論調査では「ギリシャはユーロ圏を去るべき」という声が、昨年11月の49%から60%になった。

   金融機関も損失は織り込み済みという。「金はもう帰って こない。ギリシャには何も期待しない」。しかし、ユーロの信用が失墜すれば、その影響は借金棒引きどころの騒ぎではなくなる。伊藤さんは「欧州統合は平和のための政治プロジェクト。 これを守っていこうという『意思』と国民に説明していく力がカギだ」という。

   いえてる。何百年も抗争を繰り返してきた欧州諸国が、第2次大戦のあと50年をかけてたどり着いた一つの理想がEUである。EUの指導者にその力はあると思いたい。ただ、ギリシャ人の気質は読めなかったようだ。やっぱり、ヨーロッパじゃないものなぁ。

ヤンヤン

NHKクローズアップ現代(2012年6月14日放送「ユーロ離脱か残留か ギリシャ再選挙の行方」)

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