2018年 7月 21日 (土)

大発見ヒッグス粒子!40年かけた確認の裏に古河電工・超繊細電磁コイル

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   今月(2012年7月)4日、スイス・ジュネーブ郊外の国際研究施設CERN(ヨーロッパ合同原子核研究機関)から「世紀の大発見」が伝えられた。予言から半世紀近くも確認できなかった「ヒッグス粒子」を発見したというのだった。

   自然界は17の素粒子によって説明ができる。うち12個は物質を作る、4つは力を及ぼす、最後17番目の「ヒッグス粒子」は粒子に重さと秩序を与える「神の粒子」と呼ばれる。これによって生命誕生のなぞが解け、現代物理学の理論が完成するという。

   「クローズアップ現代」が「わかりやすく」と、フロアを動き回る子どもたちを素粒子に例えて解説する。宇宙誕生のビッグバンのあと、素粒子は無秩序に動き回っていたが、そこに「ヒッグス先生」が現れて素粒子に触れると、素粒子は手をつないで原子のもとを作り始めた。かくて星ができ、銀河ができ、やがて生命も誕生したと…。うーむ、わかったようなわからんような。

直径0.8ミリの中に6000本の金属。その長さ40キロ

   CERNには30か国以上6000人もの科学者が集まって、40年以上もヒッグス粒子探しを続けてきた。世紀の大発見の直前、NHKのカメラがここに入っていた。地下100メートルに巨大な実験装置がある。高さ22メートル、長さ44メートルの水車のような構造物があって、真ん中のパイプが1周27キロメートルという山手線くらいの円形地下トンネルにつながっている。

   トンネルのパイプの中で光速にまで加速された陽子を「水車」の真ん中で衝突させる。その際に生ずるビッグバンに匹敵する膨大なエネルギーが、「ヒッグス粒子」をはじき出すというのである。とはいえ、その衝突は1秒間に数億回、年間500兆回。それで出てくる「ヒッグス粒子」はたった の500だ。これを見つけようという話である。

   「わらの山の中から針をみつけるような」と日本チーム・リーダーの浅井祥仁・東大准教授はいう。20年間スイスと東京を往復しながら、「この間に書いた20本の論文は、いずれも『発見できませんでした』ばかり。恥ずかしくなるくらいでした」。それがようやく発見できるかもしれないというところまできていた。

   パソコンのモニターに赤線のグラグが出ていた。これまでにわかっている素粒子だ。その上に少し外れた黒い点がいくつも出ていた。新たな粒子の痕跡だという。「これはホントすごいね。20年やってますけど、まさに言葉にならない」

   世紀の大発見の発表はその2週間後だった。この装置を作ったリンドン・エバンス博士は「日本の貢献は欠かせないものだった」という。パイプ内の陽子コントロールのカギを握る電磁コイルは、古河電工の繊細な技術が生んだものだった。直径0.8ミリの中に6000本の金属を埋め込んで、 長さ40キロ。2008年の運転開始から4年目の成果だった。

わかりやすくと解説されてもまだわからん粒子の世界…国谷裕子キャスターもキョトン

   かくて、ほぼ確認された「ヒッグス粒子」とはどんなものなのか。東大数物連携宇宙研究機構長の村山斉氏は「奇妙な粒子です。どこから来たのか、どんな人なのか、何人いるのかもわからない。それが原子を作ったが、宇宙における原子の量は5%にすぎない。その原子が星を作り銀河をつくるには、未知の暗黒物質が必要になる。ヒッグス粒子が開けた窓を通して、向こうの世界が見えてくるかも知れない」

   なーんだ、まだ先は長いんだ。科学者のたとえ話はわかったようでわからない。国谷裕子キャスターは「わくわくしますね」といいながら、キョトンとしているのがなんともおかしかった。

ヤンヤン

NHKクローズアップ現代(2012年7月19日放送「『世紀の発見』ヒッグス粒子」)

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