「叱りの達人」「ほめる達人」こうやれば部下はやる気満々!ホントかなあ

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   部下をどう叱ったらいいか、ほめたらいいか、悩む管理職が増えているという。下手に叱って、パワハラで訴えられたり、辞めたり、うつ病になった りすれば、責任を問われるのが心配だ。といって、業績はあげないといけない。なんと自信のない姿……。

どこも大盛況「しかり方・ほめ方講習会」

   岡山の人材派遣会社の営業所長には3人の部下がいるが、その1人の業績があがらない。聞けば、先方の担当者と連絡も取れていないという。ここは 「叱りどころ」だったが、できなかった。「関係が悪くなったら、嫌われたらと。自分に自信がないんでしょうね」という。

   この会社が開いた研修会は「叱りの達人」といわれる河村晴美さんが講師だった。年間200回も研修をしている。いつも会議に遅刻する部下という設定で、件の営業所長が面接をした。「じゃあ、次には遅れないように」と終わったが、河村さんは「では次にといったことで、部下を手放した。遅れない方法を考えさせないといけない」

   叱るのがダメなら、ほめるのはどうか。大阪で開かれた「ほめる達人」西村貴好さんの講習会は、企業の管理職でいっぱいだった。受講者は年間1万人にもなるという。

   なかに三重の自動車教習所で自動二輪の教官をしている課長がいた。2年続けて部下が辞めていた。その1人が最後に「叱られてばかりで、泣いて帰っていたことを知ってましたか」と話したのがこたえた。

   講習では、「思いつく限りのほめ言葉を並べて」とか、実際の「ほめる訓練」とかを行なう。終わっての決意表明で課長は、「部下が『仕事ができて嬉しいです』というのが支え。部下に感謝しながら仕事をしたい」と語った。「ほめる所を発見できないのは自分のせいですね」ともいう。

成果主義で年功序列崩れ上司も部下も余裕なし

   職場でのコミュニケーションのあり方を研究している立命館大の山浦一保・准教授は、企業の管理職100人以上に意識的に部下をほめさせてみた。結果は部下はほめられるほど上司への信頼が高くなることがわかった。

   「人は認められ、存在価値を知ってもらったときに一番力が出ます。信頼関係があれば、叱られても自分のためだと思い、自分の成長につなげていく」

   組織マネージメントが専門の多摩大大学院・田坂広志教授は「個人も企業も余裕がなくなっている。昔は年功序列でやることも決まっていたが、成果主義の導入で余裕がなくなって、一人ひとりの力がそのまま出てしまう。管理職も人間が問われている」という。

   管理職間の失敗や悩みを共有しようという会社もあった。文京区のIT関連企業では、始業前に管理職20人だけの会議を持つ。営業部長は部下をガツンと叱ったら会議に出席しなくなってしまった。これを管理職同士で話し合う。

「部下の資質を引き出すこと。お互いに認め合うことだ」

   千葉・幕張のネット販売大手では人事考課の点数評価をやめた。代わりに面接制度を導入した。部下に声をかけて、いつでもどこでも、フロアの片隅の床にすわって直に話す。ほめたり叱ったりも気楽にできる。

   田坂教授は「要は部下をどう見ているか、成長を考えているか。『部下は上司の鏡』といいます。部下はちゃんと見ている。人間としての総合力が 問われている」と話す。

   しかし、上司とは昔からそういうものだったのではないのか。考えてみれば、家庭内で妻や子どもに接する仕方にも通ずる。もっとも身近な人間関係は大丈夫なのか。そのあたりから問われているようでもある。

NHKクローズアップ現代(2012年9月13日放送「どうしかる?どうほめる? 変わる社内コミュニケーション」
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