「自信を持ち頑固になるな」自己啓発本の落とし穴に気づいた!自己実現の次にある傲慢

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   魅力的な人になりたい。誰もがそう思う。だから自己啓発本はどんな時代でも売れるし、何かしら成功した人はそういったたぐいの本を出版している。でも、たいてい内容は第1章、第2章はググっと引きつけられる事柄が書いてあって、第3章ぐらいからもう言い回しの世界のオンパレードになっている本が多い。どれだけ別のシチュエーションで理論を展開していくか、言葉を変えていくか。読者に気付かれないように、ぐるぐる同じことが書き続けられている。

自信満々の女王様の魔術にかかった男2人

   そんな自己啓発本でたいてい書かれている言葉がある。それは「自分に自信を持て」ということだ。これは恋愛本にも当てはまる。自分の長所を引きのばし、コンプレックスを武器に変えて自分に自信を持とう。これこそ、言い回しの違いで最多登場ではないだろうか。自信、自信、自信…。どれだけ自信過剰家になれば気がすむのかってぐらい書かれている。たしかにそうかもしれない。

   以前、仕事で女王様を生業にしている方に取材したことがある。彼女は自分の店を持ち、海外にも多くの顧客を持つという。180センチはあるかという見上げるような背丈に、踏みつけてもらったら確実にろっ骨は折れそな80キロオーバーな、とにもかくにも立派な体格をされている。

   開店前のジーンズにTシャツというラフな格好で登場した女王様に、取材に同行した男性スタッフ2人も、ビシっと背筋がのび表情が変わったのを覚えている。その女王様にこれまでの男性遍歴や恋愛の秘訣などを伺うのが今回の仕事だ。15分に1度はタバコに火をつけるヘビースモーカーな女王様は、笑顔で世界中にいるという下僕たちとの交流を語り、眉間に皺をよせながら、猫なで声で甘える女については暴言を吐いていた。

   こちらはもう耳がダンボ。性に対するどん欲さに呆然としたり、意外と恋愛になると古風な女王さまで、一般女性の方がその辺りは奔放なのかと驚いたりの連続が続くなか、彼女はこう締めくくる。

「自分に自信ない男は女に好かれないと思った方がいい」

そういいながら、2回目となる女王様の灰皿を替えに来た女性をチラと見てニヤリとし、「そんな男に付いていくだけ時間のムダなのに、バカ女もいるんだよね」と全身にタトゥーを入れてボンテージ衣装のその店員の尻を叩く。「キャンッ」と声を上げて退散していく彼女はM担当なんだとか。その光景に目を丸くしながら、再び女王様の灰皿がいっぱいになったころ、店から出た。

   その帰り道、誰もがちょっと興奮状態。なかでも男性スタッフは巨漢な女王様に「恋をしそうになった。あの人は絶対にモテる。あの自分に対しての絶対的な自信が人を引き付けるんだよ」と口を揃えていう。2人は女王様の店にプライベートで行くかどうか、嬉々として互いのスケジュールを確認しあったりしている。やっぱりキーワードは自分への自信らしい。もう2匹新規の客が増えそうだもの。

自分じゃ気が付かない「他人の話に耳を傾けなくなった…」

   とまぁ、ここまで自信について書いてきた。根拠のない自信と経験から生まれた自信。年齢を重ねることで、その自信の内容も質も変わってくる。けれど、自信に対して傲慢になってくるのも年齢を重ねてからだろう。ある時から自信は頑固になることがある。それは他人の話に耳を傾けられなくなってきた時だ。人がアドバイスをしても受け入れられず、自分のスタイルを貫こうとする、アドバイスを時に言いがかりと受け取ってしまう。そんな大人は結構周りにいたりする。

   経験から築き上げた自信がいつのまにか心の鎧になってしまっているのに、本人は気付かないでいるのがとても怖い。自分の価値を上げた自信が、場合によっては自分の価値を下げてしまう。人のふり見てわがふり直せ。頑固になってはいけないと思う。でも、これって意外と自己啓発本のたぐいにはあまり書かれていない。自信を持ち、頑固になるな。それができた時、本当に魅力的な人になれるのかもしれない。

モジョっこ

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