2019年 1月 20日 (日)

佐野眞一(「週刊朝日」橋下連載筆者)出版社からオファー殺到「ぜひ続きをウチで…」

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ソニー御曹司・盛田英夫「資産2000億円」使い果たしの放蕩人生

   地味な扱いだが、週刊現代の「資産2000億円を使い果たした男 ソニー創業者御曹司盛田英夫の『カネの使いかた』」がおもしろい。盛田昭夫はソニー創業者にして立志伝の人物である。大分前になるが、私が六本木の中国飯店に上海ガニを食べに入ったとき、店から出てくる盛田とすれ違った。簡単な挨拶を交わしただけだったが、その翌日、彼は脳出血で倒れてしまった。資産管理会社を通じて継承されたソニー株は、一時その資産価値が2000億円を突破するまでに膨れ上がったが、その株はその後、一族の手から離れることになる。

   この物語の主人公は昭夫の長男・英夫(60)である。先頃、東京国立近代美術館がスペインのホアン・ミロの絵画を買い取るという公告が官報に載った。売り主は昭夫の未亡人・良子。これまでも何点かの絵が売却されているという。神奈川県芦ノ湖にある一族の別荘の一角を占める英夫名義の土地が東京国税局に差し押さえられるのを回避するため、老いた母親が助けたのだそうだ。督促されている税金債務の額は26億5553万円という。

   英夫は英国留学を終え、芦屋大学を卒業してCBSソニーに入社し、翌年にはソニー本体に移っている。在籍したのはわずか2年余り。注目を集めたのは女優の岡崎友紀と結婚、すぐに離婚したぐらいである。英夫の落ち着いた先は盛田家の家業である清酒や醤油などを製造する会社だったが、英夫にはソニー株という十分すぎる軍資金があった。

   自家用飛行機で全国を移動し、ビジネスジェットでハワイやパラオに飛びながら、スキー好きの英夫は新潟県妙高市での大規模スキー場の経営に手を出す。だがバブルが弾けてすぐ経営危機になり、231億円を拠出する。

   次はF1レース。日本語が堪能なスイス在住の元プライベートバンカーの口車に乗せられて、オランダを拠点にフランス、ルクセンブルク、英国に次々F1参戦のための会社を設立するが、結局、資金に行き詰まり頓挫した。この損失が約230億円だそうだ。そして、国税がこのF1費用を会社から英夫個人への寄付金にあたるとの見解を示し、2か月後に56億円もの申告漏れに問われる。このようにして巨額の資産はほとんど失われてしまったのだ。私のような貧乏人からは想像もできない蕩尽ぶりである。

   少し前にギャンブルなどで負けた金を埋めるために、子会社7社から合計85億8000万円を不正に借り入れ、特別背任で逮捕・有罪判決を受けた大王製紙の前会長で大王製紙創業家3代目の井川意高が可愛く見えてくるぐらいスケールが大きい。ソニー凋落の元凶はここにもあったようだ。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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