2024年 4月 28日 (日)

「シェールオイル」が変える世界パワーバランス―中東・ロシア凋落、アメリカいよいよ一人勝ち

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日本でも秋田で試験採取

   石油の8割、ガスの2割を中東に依存している日本は、福島原発事故後、火力発電のガスの輸入量が増えた。しかも、安定供給のために高値で買っている。アメリカの5倍以上、ドイツの2倍近い。田中氏は「安く買うためには足元をみられないように、自然エネルギーや原子力といった選択肢を広げ、省エネ化も進める必要がある」という。丸紅は230億円を投じてアメリカのシェール市場に参入し権益を得た。「われわれが開発した石油・ガスを売れる」という。これも安く買うための手だてにはなる。

   だが、シェールには問題もある。地下に手を加えることによる土壌や地下水への影響だ。アメリカでは水道水にメタンガスが混入して、水道の蛇口が火を噴くという衝撃的な事態も起こっている。注入する化学物質の環境への影響は全くの未知数だ。「燃える水」には激しい反対運動が起こり、開発を禁止する自治体も出ている。

   そんな中、日本のモノ作りのワザが注目されている。化学物質のもれを防ぐ高機能のバイプや、水圧破砕に使った後は水と炭酸ガスに分解する樹脂がすでにアメリカで使われ始めている。さきに秋田・由利本荘市で日本最初のシェールオイルの採取に成功した。埋蔵量は微々たるものなので、量よりも日本の技術を生かす実験の意味合いが濃い。シェールへの取り組みは各国それぞれ。そこで日本がどういう地位を占めるか。「広い視野でエネルギー戦略を考える必要がある」と田中氏はいう。

   しかしどうだろう。原発の先行きひとつ見ても、政府に戦略なんかあるのか。エネルギー問題は備蓄以外は実質民間が担ってきた。シェールだって結局はそうなるだろう。役人が口を出すとろくなことにならない。

ヤンヤン

NHKクローズアップ現代(2012年10月25日放送「『シェール革命』の衝撃 世界をゆるがす新資源」)

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