逮捕誤認の千葉・流山「強盗・強姦殺人」15年目の初公判―真犯人一転して殺害否認

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   強盗殺人、強盗強姦事件で遺族を誤認逮捕するという警察の大失態が問題となった15年前の千葉・流山女性殺害事件の裁判員裁判の初公判が、きのう12日(2012年11月)に千葉地裁で開かれた。被告は「真犯人」として、今年(2012年)1月に逮捕された当時17歳の男だ。強盗・強姦は認めたが、殺人については「殺害していない」と否認した。

祖母と姉夫婦を誤って逮捕し過酷な取り調べ

   被害者は当時24歳の女性会社員。事件後まもなく逮捕されたのは、同居していた祖母と姉夫婦だった。しかし翌年、3人は嫌疑不十分として不起訴とされ、事件は未解決のまま15年が経過した。昨年、千葉県警は未解決事件の特別捜査班を立ち上げて再捜査して、別の事件で服役中だった男を逮捕した。犯人のものとされる遺留物が男のDNAと一致したためだ。

言い分は不自然

   この日の検察の冒頭陳述によると、1997年5月18日、男は女性宅のマンションに侵入、女性を脅してキャッシュカードを奪って乱暴したうえ、刃物で背中を刺し首にタオルを巻き付けて殺害したとされる。これに対し、弁護側は男は乱暴した後、外に出てパチンコで儲けたので奪った金を返そうと再びマンションに引き返したところ、女性が死んでいたという。

   これは意外な展開だった。というのは、公判前資料整理では殺害を認め、殺意の有無が争点となっていたからだ。なぜ取り調べ段階からの供述を翻したのか。今後の検察側の被告人質問が注目される。

あらためて検察不起訴、警察謝罪

   コメンテーターのロバート・キャンベル(東大教授)「(弁護側の言い分は)一般市民の常識として通りにくい。すぐ現場に戻るのも不自然、戻ってきた証拠もない」

   キャスターのテリー伊藤も「公判前手続きがひっくり返ったのはおかしい。弁護側が知っていたのなら事前にいうべきだ。被害者の女性が無防備なまま部屋にいるわけがない。被告の言い分はあり得ないことだ」と疑問をぶつける。

   誤認逮捕された3人に対し、千葉地検は「嫌疑不十分」で不起訴としていたが、男の逮捕を受けて今年2月、改めて「嫌疑なし」として不起訴とした。千葉県警も謝罪しているが、母親は「絶対、警察は許せない」といっている。警察の失態で遺族に大きな傷を残した事件はどういう決着になるのか。熾烈な調べを受けとされる祖母はその日を待たず他界している。

文   一ツ石 | 似顔絵 池田マコト
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