遅咲きのヒマワリ~ボクの人生、リニューアル~
生田斗真・真木よう子ら男女7人「地域と自分おこし」物語…美しい四万十が哀しい

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   高知県の四万十を舞台に、さびれた町に生きる人々のリアリティが伝わってくる。清流、沈下橋、水路に回る水車など、背景が美しいだけに、自然の美しさだけではどうにもならない人間の生活というものの哀しさが、かえって際だつ。

   28歳になっても東京で派遣暮らし、正社員になれるかと思ったら派遣切りにあってしまった丈太郎(生田斗真)が主人公である。栃木の田舎に帰っても、実家にはすでに堅実な弟(生田竜聖)一家がいて居場所がない。この弟を演じた竜聖は斗真の実の弟でフジテレビのアナウンサーだ。第1回しか出ていないが、ちょっとした話題つくりのご愛嬌ね。

ミッキー・カーチスの田舎のじいさんに感服

   丈太郎はふと目に付いた四万十市の「地域おこし協力隊」に応募、四万十に行くことになる。同時に四万十駅に着いたのは、地元の出身で医者になったかほり(真木よう子)。大学病院でがんの先端研究をめざしていたが、教授に四万十の市民病院勤務を命じられ、クサッている。真木よう子は、華奢な容姿と野太い声のアンバランスが独特の魅力だ。飾り気のないフテた感じ、だけどその陰に優しさを隠している、といった役どころがハマッている。

   「地域おこし協力隊」隊長である金物屋の息子・順一(桐谷健太)もいい。地域おこしに取り組む熱い男だが、実は地元から出たことがなく、出たら暮らせない自分を分かっている。「さびれゆく地元を何とかしたい」という志ではなく、「自分が生きられる場がなくなる」という切実感。だから必死なのだ。

   このほか、謎めいた看護師・彩花(香椎由宇)、挫折した高校野球のヒーロー・弘樹(柄本佑)、やたらと丈太郎に近づいてくる不動産会社の春菜(木村文乃)、かほりの姉・さより(国仲涼子)などが絡む。この若者たちの会話がとっても自然で、また不器用ゆえの切なさも心に沁みる。その数も7人、往年の名作「男女7人夏物語」の味わいを想い出させる。

   自然と並ぶもう一つの背景は高齢者だ。ミッキー・カーチスが田舎のじいさんという意外な役回り。だけど、痛む足を引きずって稲刈りに行く姿に違和感はない。感服。(フジテレビ系火曜よる9時)

(カモノ・ハシ)

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