2024年 5月 7日 (火)

<のぼうの城>
濁流うねる水攻め、2万の兵一気に押し寄せる城落とし―ど迫力のいくさ活劇絵巻

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(C)2011『のぼうの城』フィルムパートナーズ
(C)2011『のぼうの城』フィルムパートナーズ

   豊臣秀吉は天下統一を目前に、関東最大の勢力・北条氏を圧倒的軍勢で攻めようとしていた。北条氏の支城であった忍城(おしじょう)もその標的となる。領主・成田氏長(西村雅彦)は事情により忍城不在で、農民から「でくのぼう」略して「のぼう様」と呼ばれる従兄弟の長親(野村萬斎)が城を治めていた。秀吉(市村正親)に仕える石田三成(上地雄輔)は2万の兵を引き連れて忍城に迫り、長親らは500の兵で応戦することになる。

   原作は累計130万部突破の和田竜の大ベストセラーだ。犬童一心と樋口真嗣の共同監督で、脚本も和田竜が手がけている。

野村萬斎の怪演、濃いキャラ武将ぴったり佐藤浩市、市村正親、上地雄輔…

   なによりも、ドでかいスケールの映像がばんばん出てくる。忍城の俯瞰シーンや濁流がうねる水攻めシーン、2万人の兵が忍城を取り囲むシーンなど、CGとはわかっていても、圧倒的なスケールは見応え十分だ。とにかく「これぞスクリーンで見るべき映画!」といった迫力である。

   登場人物のキャラクター設定が明確でストーリーが単純明快なのも、日本史に不得手な筆者にとっては大変ありがたかった。これなら世代を問わず、ファミリーで見てもみんなそれなりに楽しめそうだ。

   絶妙なキャスティングも楽しい。愛されるダメ・リーダーのぼう様を野村萬斎が怪演し、豪腕勇猛な武将たちに佐藤浩市、市村正親、山田孝之、上地雄輔、成宮寛貴、山口智充と個性の強いキャラが顔を並べ、眼力(および顔力)で濃い芝居を見せる。ちょっと間違えたかなと思うのは、農民役の尾野真千子と芦田愛菜ちゃんだ。そもそものキャラ設定もセリフも地味なフツーの農民親子に2人を起用する意味はあったのだろうか。

   水攻めで田畑を潰され孤島と化した城の中で、どうやって大勢の農民らは食いつないだのか、勝因はのぼう様の奇策というより個々の武将の戦闘能力が高かったからなのではあるまいかなどなど、ツッコみたい部分もままあるのだが、まぁあくまでエンタメ系映画としてはどうでもいい。週末の気軽な娯楽にオススメです。

バード

おススメ度☆☆☆

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